口をすぼめるしぐさはどんな心理の表れか?

こんにちは。コミュテラスの西垣です。

西垣の略歴
  • 大手・中小・外資系企業で人事歴20年
  • 5つのコミュニケーション資格を所持
  • 現在はコーチ・コンサルタント業に従事

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今日は「口をすぼめるしぐさ」について
お話ししてみようと思います。

学校で先生から怒られたり、
会社で上司から注意されたりした時に

唇を小さく縮めて
口を少し尖らせる表情をする人って
いますよね。

この「口をすぼめる表情」は
マンガなどでもよく描かれたりするように
不満を表す表情として知られていますが、

具体的には
どのような心理の表れなのでしょうか?

また、このしぐさを見せている人には
どのように対応したら良いのでしょうか?

さっそく見ていきましょう。

すぼめた口が表している心理とは?

先ほどマンガを例に挙げました通り、
口をすぼめるしぐさは不満を表す表情として
一般に知られていますが、

行動心理学の研究でも
「反感」や「不快感」の表れと解釈され、
女性や子供に多く見られるとされています。

たとえば、会社で女性社員がミスをして、
上司から「ちゃんと仕事しろ!」と言われて
叱責されている場面で、

その部下が「すみません」と謝りながらも
口をすぼめるしぐさを見せた場合は、

心から自分が悪いとは思っておらず、
上司から叱られていることに
納得がいっていない様子が窺えます。

このように、口をすぼめるしぐさは、
反対意見を持っているのに言えない時や
心の底で別の主張を持っている時などに
よく見られ、

納得できずにふてくされていたり、
心の中で反抗的な気持ちを抱いていることの
表れである可能性が高いと言えます。

どのように対処したら良いか?

では、このケースで、
上司は口をすぼめる表情をした部下に対して
どのように対応したら良いのでしょうか?

まず、最もやってはいけないのは、
部下が口をすぼめるしぐさをしたのを見て、
「何ふてくされた顔してんだ!」
さらに怒ることです。

行動心理学のしぐさの解釈は
大人数を対象にした実験・研究によって
実証されているものですが、

いつも絶対に正しいわけではなく、
個人差や癖、たまたまの動作などによって
解釈を誤ってしまうこともあります。

ですので、口をすぼめたからといって、
部下が反抗的な気持ちを抱いていると
決めつけてしまうのは早計ですし、

そもそも、ふてくされた顔をしただけで
その部下を怒るのは好ましくありません。

とはいえ、このケースでは
部下は上司に対して何らかの意見を
持っている可能性が高いので、

このまま放っておいてしまうと
部下の女性社員の感情は収まりません。

また、反省もしていないので
再び同じようなミスやトラブルが発生する
可能性がありますから、
このまま放っておくのも良くありません。

したがって、この場合で上司がすべきことは
まず部下の話をしっかり聞いて
思っていることを吐き出させることです。

人は自分の考えていることを吐き出さないと
新しい考えを納得して受け入れることが
できないので、

まずは部下の意見にしっかりと耳を傾けて
聞くことが大切なのです。

その際に気をつけるべきことは、
部下の話はしっかり最後まで聞いて
すべて吐き出させることです。

部下の話の内容によっては
「そんな、言い訳ばかりして…」と
途中で反論したくなることもありますが、

決して話を途中で遮ったり、
意見を否定したりせず、
最後までちゃんと聞くことが大切です。

そして、部下の話をすべて聞き終えた上で、
注意や指導が必要な場合は、

一方的に問題点を指摘するのではなく、
どうしたら改善できるかを
部下と一緒に考えるスタンスで臨み、

なるべく部下自身から
改善策を提案してもらうのが理想です。

なぜかと言うと、
人は他人から押し付けられたものよりも
自分で考えて決めたことの方が
守りやすいからです。

尚、部下に対して注意や指導を行う際は
他の社員がいる前ではせず、
部下が一人の時にするようにしましょう。

 

以上、口をすぼめる心理について
考察してまいりました。

唇を小さくすぼめるしぐさは
「反感」や「不快感」の表れである
可能性が高いので、

相手がこのようなしぐさを見せた場合は
その人の話を最後まで聞いて、
心の中で思っていることを
すべて吐き出してもらうことが大切です。

良好なコミュニケーションを取って
スムーズな人間関係を築くための
ご参考にしていただければ幸いです。