指先を合わせるしぐさはどんな心理の表れか?

こんにちは。コミュテラスの西垣です。
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誰かと話をしていて
相手の手のしぐさが気になることって
ありますよね。

私たち人間は、人と会話をする際に
言葉だけではなく「手」を使って
とても多くのことを表現しています。

コーヒーを注文したりする時に、
指を二本立てて「2つ」を意味するような
意識的な表現はもちろんですが、

心の中で抱いている感情を
手のしぐさで無意識に
表現してしまっている場合もあります。

こういった相手の無意識の手のしぐさから
その人の気持ちを察することができたら、
コミュニケーションが
だいぶ取りやすくなりますよね。

そこで、今日は
「指先を合わせるしぐさ」について
お話ししてみようと思います。

両手の指先同士をくっつけて
上に向けるしぐさには、
どんな心理が表れているのでしょうか?

また、そのようなしぐさをしている人には
どのように接したら良いのでしょうか?

さっそく見ていきましょう。

指先を合わせるのはどんな心理の表れか?

行動心理学の研究では
人間の様々な手のしぐさと心理の関係を
明らかにしています。

たとえば、握りこぶしを作ったりして
内側に親指を隠すしぐさは
気持ちが後ろ向きになっている表れとされ、

自分に自信のない人に
よく見られる傾向がありますし、

またそれと反対に、

机の上で手を組んだりしている時などに
親指を上に向けているポーズは、
前向きな考え方をしている表れとされ、

自分に自信のある人に
よく見られるという研究結果があります。

ですので、もし会社の会議などで
机の上で手を軽く組んで
親指を上に向けている社員がいたら、

その社員は積極的な姿勢で参加していて
自分の考えやアイデアに
自信を持って臨んでいると推測されます。

このように親指を上に向けるポーズは
行動心理学で自信を表すしぐさと
されていますが、

これに似たしぐさに
「尖塔のポーズ」というものがあります。

尖塔のポーズとは、
両手のすべての指先同士をくっつけて
指全部を上に向けるしぐさのことで、

お寺で手を合わせて合掌する時の
手の形に少し似ていますが、

手のひら同士はくっつけず、
指と指の間も空けて
指先だけを合わせるポーズのことです。

この尖塔のポーズは、
心の中に強い自信を抱いている時に
現れることの多いしぐさで、

会社などのビジネスシーンでは
次のような場面でわりとよく見られます。

たとえば、
あなたが残業して仕事をしているところに
他の部署の男性社員がやってきて、

「残業ですか?忙しそうですね」と
声をかけてきたとします。

話しかけられたので、
あなたは一旦作業の手を止めて
「〇〇さんこそ、いつも忙しそうですね」と
社交辞令の返事をしたところ、

その男性社員は「いやぁ、実は今、
大きな仕事を任されていて…」と言いながら
あなたの隣の席に腰を下ろし、

指先を合わせる尖塔のポーズをしながら、
自分が現在やっている仕事の大変さを
笑顔で話し始めました。

このシーンで、男性社員は
仕事の大変さを口にしてはいるものの、

尖塔のポーズをしていることから
実際には大きな仕事を任されていることに
喜びを感じていて、

上司から認められていると感じて
自尊感情が高まっている様子が窺えます。

このように尖塔のポーズは
自分に強い自信を感じていることの表れで、

このケースでは、
上司から大きな仕事を任されていることを
あなたに話すことで

上司からだけでなく
あなたからも自分のことを認めてもらって、
自らの「承認欲求」を満たそうとする
心理が働いていると考えられます。

どのように対応するのが良いか?

では、このシチュエーションで、
あなたはこの男性社員に対して
どのように対応するのが良いのでしょうか?

この男性社員は、
上司から大きな仕事を任されていることに
強い誇りと充実感を感じていて、

そのことを他部署のあなたにも伝えて
自分のことを認めてもらうために、
わざわざ話しかけてきていると
考えられます。

ですので、残業中で忙しいからといって、
「そうですか、それは大変ですね」などと
興味が無さそうな素っ気ない相槌を打ち、

すぐに自分のパソコンの画面に目を戻して
作業を続けてしまったりするのは
あまり好ましい対応ではありません。

たしかに、残業で忙しいのに、
他人の自慢話に付き合っている暇は無いと
思われる方も多いと思いますが、

素っ気ない対応をされて
自分に関心を向けてもらえないと感じると、
その男性社員はとても傷ついてしまいます。

この場面では、せっかくこの男性社員の
仕事へのモチベーションや自己高揚動機が
高まっているわけですから、

その高まりを壊さないように
「それはすごいですね!」などと言って
相手のことを認めたり、

「頑張ってくださいね」などと
応援する言葉をかけてあげるようにして、

その男性社員の「認めてほしい」という
承認欲求をしっかりと満たしてあげて、
モチベーションを高める関わりをするのが
理想的です。

もちろん、残業で忙しい中、
そのような対応をしなければならない義務は
ないのですが、

少なくとも今の男性社員の心理状態には
ネガティブな要素はなく、
安心してコミュニケーションを取れる状況で
あることは確かです。

ですので、少し鬱陶しく感じたとしても
相手を否定するようなことを言ったり、
不安をあおるようなことはせず、

おおらかな気持ちを持って
その人を認めてあげるような対応すると
その後も良い関係が築きやすくなりますし、

ひいては職場全体にも
良い影響をもたらすことに繋がりますので、

ほんの数分間で構わないので、
その社員の承認欲求を満たしてあげるような
接し方をすると良いでしょう。

以上、指先を合わせる心理について
考察してまいりました。

指先を合わせて上に向けるしぐさは、
強い自信を抱いていることの表れである
可能性が高いので、

相手がこのようなしぐさを見せている時は
否定したり、不安をあおるようなことはせず

その人のことを
しっかりと認めてあげるような対応を
するのがおすすめです。

円滑な人間関係を築くための
ご参考にしていただければ幸いです。