顎をさするしぐさはどんな心理の表れか?

こんにちは。コミュテラスの西垣です。

西垣の略歴
  • 大手・中小・外資系企業で人事歴20年
  • 5つのコミュニケーション資格を所持
  • 現在はコーチ・コンサルタント業に従事

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今日は「顎を触るしぐさ」について
お話ししてみようと思います。

誰かと話をしている時に、
相手がしきりに自分の顎を触っているのが
気になることってありますよね。

ちゃんとこちらの目を見て
「うんうん」とか「なるほど」と頷きながら
話を聞いてくれていても、

ずっと顎をさすりながらだと
それが何らかの心理の表れのような気がして

「退屈で聞き流してるのかな?」とか
「本音では納得していないのかな?」などと
不安になったりしますよね。

そこで、このページでは
顎を指で触ったり、さすったりするしぐさは
どんな心理の表れなのか?

また、そのようなしぐさをしている人には
どのように接したら良いかを
考察してみようと思います。

さっそく見ていきましょう。

顎を触るしぐさはどんな心理の表れか?

会話をしている最中に
自分の顎を触ったり、さすったりするのは、

相手の意見に賛成したり、納得していたりと
ポジティブな感情を表していることが
行動心理学の研究で明らかになっています。

具体的なシチュエーションを例に
説明しますと、

たとえば、社内研修などの場面で
質疑応答の時間に
参加者が手を上げて質問をしたとします。

講師がその質問に対して
説明をして回答したところ、

その質問をした参加者は
「よくわかりました。
どうもありがとうございました」と

顎を指でさすりながら返事をして
席に着きました。

一般に、こういった場面では、
講師の説明がよく分からなかったり、
あまり納得できていなかったとしても、

その場でさらに質問を重ねるのは
心理的なハードルが高いので

とりあえず「わかりました」と言って
質問を終えてしまうことが
よくありますよね。

ですが、このケースの場合は、
質問者が顎をさすりながら
「わかりました」と言っていることから

講師の説明によって疑問点が解消されて
本当に納得している様子が窺えます。

このように、顎を触るしぐさは、
相手が話した内容に賛成している時や
納得している時によく見られるしぐさで、

相手と上手くコミュニケーションが
取れていることを示すサインと
捉えることができます。

どのように接したら良いか?

では、このケースで講師は
参加者に対してどのような態度で接するのが
ベストなのでしょうか?

まず、上記で説明しました通り、
質問者は指で顎をさするしぐさを見せながら
「わかりました」と答えているので、

講師が回答した説明内容に納得して
満足している様子が窺えます。

ですので、特に心配する要素はなく、
質問者と良い質疑応答のやり取りができたと
自信を持って問題ありません。

手を上げて質問をするということは
講師の話の内容に関心を持っていることの
表れですし、

研修会のような
聞き手がたくさんいる場面での質問は
他の参加者の理解を深めるのにも役立つので

このように疑問に思った点を
皆の前で質問してくれる質問者には、

「おもしろい質問ですね」とか
「鋭い質問ですね」などと言って褒めたり、

質問に回答した後には
「質問していただきありがとうございます」
と笑顔で感謝を伝えるなど、

他の参加者にとっても
質問しやすい雰囲気を作ることが大切です。

また、講師にとって質疑応答の場面は、
参加者から予想外の質問を受けることが
あるため、

上手く答えられるか不安に感じたりして
結構緊張するものだったりします。

したがって、質問に無事に回答できると
思わず「ふー」と安堵のため息を
ついてしまったりしてしまいがちですが、

こういったため息は
たとえ意図していないものであっても、

質問してくれた人に対して
「面倒なことが片付いてよかった」という
印象を与えてしまう可能性がありますので
気をつけましょう。

 

尚、上記の例は、
研修会での質疑応答のシーンですが、

研修会のような
講師がたくさんの参加者に向かって
説明をするシチュエーションでは、

参加者からの質問は
質疑応答のタイミング以外でも、
随時受け付けるようにした方が良いです。

どうしてかと言うと、
講師が説明している最中に
参加者が頭の中で思いついた疑問は

質疑応答のタイミングまで待っていたら
大抵忘れてしまいますし、

その頃には
聞こうと思っていたことに対する興味も
失われてしまっていることが
ほとんどだからです。

そのため、すべての説明が終わった後の
質疑応答の頃には、

参加者の頭の中には
浮かんでいた疑問のほんの一部しか
残っておらず、

質問がほとんど出ることなく、
参加者の理解を深めるのに貴重な質疑応答が
無駄になってしまう可能性があります。

もちろん、講師としては
説明している途中で質問をされて
話の腰を折られてしまうのは面倒ですし、

タイムスケジュールの問題もあって
質問を随時受け付けるのが難しいケースも
ありますが、

もし説明の途中で突然質問されて
話の腰を折られるようなことがあっても

決してイヤな顔をしたりせず、
質問は大歓迎だという雰囲気を作ることが
望ましいです。

 

以上、顎を指で触るしぐさは
どんな心理の表れなのか?

また、そのようなしぐさをしている人には
どのように接したら良いかについて
考察してまいりました。

より良いコミュニケーションを取るための
ご参考になれば幸いです。