職場で求められる言葉遣い・話し方のマナー

こんにちは。コミュテラスの西垣です。
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これから就職する予定の学生の方や
まだ社会人経験の浅い新入社員にとって、

ビジネス上で使われる言葉遣いや話し方は
何だかとても堅苦しくて
難しいものに感じられるかもしれません。

たしかに、学生時代と違って社会人になると
職場ではビジネスに適した
話し方や言葉遣いが求められますから、

今まで慣れ親しんできた話し方や言葉遣いを
急に変えるのは大変ですよね。

けれども、仕事の上の言葉遣いや話し方は
やり取りがパターン化しているので、
覚えるのはさほど難しくありません。

もちろん完璧にマスターしようと思ったら
大変かもしれませんが、

必要なのは、仕事をスムーズに
支障なく進める上で求められる話し方や
言葉遣いですから、

基本をしっかりと押さえておけば、
誰でも簡単に身に付けることができます。

このページでは、社会人に必要な
「言葉遣い・話し方の基本マナー」を
解説していきます。

ビジネスシーンに適した
話し方や言葉遣いができるようになると、

有能な人物だという印象を
相手に与えることができ、
仕事をスムーズに進めやすくなります。

ぜひ最後まで読んで、
ビジネスに適した話し方や言葉遣いを
身に付けていただければと思います。

職場では「結論」から話す

家族や学校の友達などとの
他愛のないお喋りも
もちろん会話の一種ではありますが、

ビジネス上での会話では、
業務に必要な情報を正確に相手に伝えて、
理解してもらうことが目的となります。

そのためには、職場ではいつも
「結論から話す」ことを
心がけるようにしましょう。

具体的には、
「あなたが一番伝えたいこと」や
「相手が一番知りたがっていること」を
最初に伝えるようにします。

そうすることで、聞き手は話の目的や主題を
知った上で話を聞くことができるので、
話の理解力が高まります。

言いづらいことを
相手に伝えなければならない時は、
先に言い訳をしたくなったりしますが、

そうしてしまうと
「いったい何の話がしたいんだ」と

かえって相手をイライラさせてしまうことに
なりかねません。

結論が最初に示されていれば、
聞き手は安心して話を聞けますし、

結論が分かった状態で、
その過程や裏付けを聞くことになるため
より正確に理解しやすくなります。

ビジネスでの会話は、
相手に誤解されることなく、
正確に情報を伝えることが大切ですから、

仕事中は「結論」から伝えるよう意識して
話すようにしましょう。

相手に伝わる言葉を使う

自分の話を相手に分かってもらうには
相手が理解できる言葉を使って
話をすることが大切です。

小さな子供に話しかける時や、
日本語があまり上手くない外国人と
話をしたりする時に

普段よりも平易で分かりやすい言葉で
話しかけたりしますよね。

それと同じように、
ビジネスにおける会話でも、

相手にとって理解しやすく、
伝わりやすい言葉を使って話をすることが
大切です。

当たり前のことですが、
こと仕事上の会話においては、
これが出来ていない人が意外と多いです。

私がかつて勤務していた会社にも、

まだ経験の浅い社員に対して、
分かりづらい専門用語を使って説明する
中堅社員は結構いましたし、

社外の人に対して、
社内や業界内でしか通用しない用語を
平気で使っている人が少なからずいました。

こうした話し方をしていると
相手と正確な意思の疎通を図ることは
難しくなりますから、

当然ミスやトラブルが
起きやすくなってしまいます。

ですので、相手に何かを伝える際には、
相手の立場でモノを考え、

相手の頭の中にありそうな言葉を使って
話をすることが大切です。

相手が理解しづらそうな話をする場合は、
会話中に「たとえば…」と
例え話を入れるようにしたり、

過去の事例を盛り込んだりして、
具体性を持たせて話をすることも重要です。

また、相手との誤解を防ぐために、
「曖昧な言葉」を使わないようにすることも
大切です。

たとえば、「なるべく早く納品いたします」
「少し安くなりました」といった言葉は
人によって描くイメージが異なりますので、

誤解を防ぐにはより正確に、
「火曜日の午後1時までに納品します」
「50円安くなりました」などと

数字などを使って
明確に伝えるよう心がけましょう。

敬語の誤用に気をつける

ビジネスの世界では、
縦の人間関係に接する機会が増えるため、

学生の頃には使ったこともないような言葉を
使う必要が出てきます。

上司や先輩、取引先、お客様など
目上の人と話す場合は、
言葉遣いを丁寧に変える必要がありますが、

「ちゃんと礼儀正しく話さなきゃ」という
プレッシャーから、

不自然な敬語になってしまう場合も
少なくありません。

もちろん、敬語の使い方に
多少ヘンなところがあっても、

態度や接し方で相手に対して
敬意をしっかりと伝えられていれば、
問題なくやり取りできる場合も多いです。

しかし、あまりにもひどく
間違った敬語の使い方をしていると、

その人の知性レベルが疑われ、
ビジネスに悪い影響を及ぼすことに
なりますので注意が必要です。

特に、中堅・ベテランの社員になると
たとえ間違った敬語を使っていても
指摘をされることがないため、

そのまま気づかずに
敬語を誤用している人がしばしばいます。

以下に示すのは、
「尊敬語」と「謙譲語」を取り違えて
使ってしまっているパターンです。

相手に対して謙譲語を使ってしまうと、
相手に違和感を与えるだけでなく、
大変失礼にあたりますので、

くれぐれも誤用することのないように
気をつけましょう。

誤:「受付で伺ってください」
正:「受付でお尋ねください」

※「伺う」は謙譲語なので、
相手に対して使うのは誤りです。

誤:「○○様が参られました」
正:「○○様がいらっしゃいました」

※「参る」は謙譲語なので、
敬意を表す「られ」を付けても
尊敬語になりません。

誤:「資料をご持参ください」
正:「資料をお持ちください」

※「持参」は謙譲語なので、
敬意を表す「ご」を付けても
尊敬語になりません。

誤:「○○様はおられますか」
正:「○○様はいらっしゃいますか」

※「おる」は謙譲語なので、
敬意を表す「られ」を付けても
尊敬語になりません。

誤:「○○様はどちらにいたしますか」
正:「○○様はどちらになさいますか」

※「いたす」は謙譲語なので、
相手に対して使うのは誤りです。

「身内敬語」に気をつける

通常、会社の上司など、
目上の人と会話をする場合は、

上司に対して敬称を付けて呼びかけたり、
尊敬語を使って話したりしますが、

社外の人に対して
社内の人のことを言う場合は、

たとえそれが上司であっても、
敬称を付けず「呼び捨て」にし、
「謙譲語」を使って話をします。

自分の母親の話をする時に、
「私のお母さんがおっしゃっていました」と
言わないように、

社外の人に対しては、
自社の人間は「身内」にあたりますので、
尊敬語を使わないというわけです。

ですが、普段から上司に対して
敬語を使っているせいか、

自社の社員に対して
「身内敬語」を使ってしまっているケースが
若い社員を中心にしばしば見られます。

以下のケースは、典型的な「身内敬語」で、
敬語の誤用となりますので、
社外の人には言わないようにしましょう。

<NG例>
「田中部長は、10時にいらっしゃいます」

<修正例>
「部長の田中は、10時に参ります」

<NG例>
「田中部長は、ただいま席にいらっしゃいません」

<修正例>
「(部長の)田中は、ただいま席を外しております」

上記の例では、まず自社の社員の行為に
「いらっしゃいます」という
尊敬語を使っている点が

身内に対して敬語を使っていることになり、
誤りとなります。

また、それ以外にも「田中部長」と
自社社員に役職名を付けて呼んでいる点も
誤りになります。

「部長」などの役職名は敬称であり、
尊敬の意味を持つ敬語の一種です。

したがって、社外の人に対して
自社の部長のことを言う場合には、

単に「田中」と呼び捨てにするか、
「部長の田中」と表現するのが
正しい呼び方となります。

以上、社会人に必要な
「言葉遣い・話し方の基本マナー」について
説明してまいりました。

ご参考にしていただけたら幸いです。