職場におけるコミュニケーションの基本

こんにちは。コミュテラスの西垣です。
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職場で周囲の人たちと
上手くコミュニケーションを取るのって
難しいですよね?

友達付き合いなど
プライベートでのコミュニケーションは
上手くできるのだけれども、

職場の上司や同僚、部下との
コミュニケーションが苦手という方は
結構多いように思われます。

私はこれまで、日本の大手企業・
中小企業、外資系企業のタイプの異なる
3つの企業の人事部で

20年以上仕事をしてきた中で
数多くの従業員の方々を見てきましたが、

職場コミュニケーションのスキルが
不足している人は、いくら能力があって
一生懸命に業務に励んでいても

頑張って仕事をしているわりに、
上司の評価が芳しくなかったり、

時に社内で孤立したりして
職場に馴染むことがでなかったりして、

比較的短期間で辞めてしまう方が多かった
印象があります。

せっかく能力もあって頑張っているのに、
コミュニケーションのスキルが
ちょっと不足しているだけで

仕事が上手く行かなくなってしまうのは
もったいないですよね。

そこで、今日から3日間にわたり、
「職場コミュニケーション」をテーマに、

職場で周りの人々と
上手くコミュニケーションを取るコツを
ご紹介しようと思います。

今日お話しするのは
社会人として必ず知っておくおくべき
「基本編」です。

会社で周りの人たちと
上手くコミュニケーションが取れずに
悩んでいる方は、

ぜひ最後までお読みいただき
仕事環境の改善にお役立てください。

仕事とプライベートのコミュニケーションの違い

一口に「コミュニケーション」と言っても、
仕事とプライベートでは
その内容が大きく変わってきます。

プライベートでは、
「ねぇ、ちょっと聞いてよ」などと言って、

会社で上司に怒られて悲しかった話や
同僚に嫌味を言われて腹が立った話を

家族や友達に話したりすることは
普通にありますよね。

こうした愚痴を相手に話すのは、

「えー、それはかわいそうだね」とか
「それはムカつくよね」などと

ただ相手に共感してもらいたいだけで、

別に相手に解決策を求めているわけではなく、
話をすることで自分の気分を発散できれば
それで満足だったりします。

ですが、このような一方的な会話は、
プライベートではよくある
コミュニケーションの一つですが

仕事上でのコミュニケーションとして
適切とは言えません。

仕事のコミュニケーションには
必ず目的があって、

そのコミュニケーションによって
相手との関係に何らかの作用を
生じさせるものである必要があります。

たとえば、部下や同僚に対して、
「調子はどう?」「元気?」などと
声をかけたりする場合も、

そうすることによって
相手の様子を伺って
業務の進捗を確認したり、

体調を気遣う言葉をかけることで
自分の印象を良くして
仕事がしやすくなることを
目的としているからこそ、

ビジネスのコミュニケーションとして
成立しています。

つまり、仕事のコミュニケーションは、
意図や目的を持って、
それを達成するために行うものなのです。

職場でのコミュニケーションというと、
とかく丁寧な言葉遣いや態度が重視され、
もちろんそれは大切なのですが、

それらは目的を達成するための
ツールに過ぎません。

丁寧な言葉遣いや態度で接するのは
相手に気分良く、質の高い仕事を
してもらうためだったり、

こちらのお願いを快く聞いてもらうため
だったりするわけです。

このように、職場で
仕事のコミュニケーションを取る際は、

常に目的を意識し、
それを見失わないようにすることが
大切です。

適度な距離感を保つ

職場のコミュニケーションで大切なのは、
周りの人々と
「適度な距離感」を保つことです。

周囲と「近すぎず、遠すぎず」の距離感を
保つのが理想です。

相手とできるだけ仲良くなって
親密な関係を築いた方が、

仕事がやりやすくなると
思われるかもしれませんが、
実際はそんなことはありません。

たとえば、あなたは親に対して
ぞんざいな態度を取ってしまったことは
ありませんか?

人は、身近な人間に対しては、
ついつい甘えが出てしまって、

赤の他人にはしないような態度を
取ってしまうことがあります。

ですので、相手との距離が
近くなりすぎてしまうと、

「分かってくれて当たり前」と思って、
一方的に自分の考えを
押し付けたりしてしまったりするのです。

もちろん、そうした態度を取ってしまっても
家族ならまだ分かってもらえて、
関係を修復できたりしますが、

職場の人々は、所詮は他人ですから、
どんなに親密な関係を築けていると
思っていたとしても、

一度崩れてしまった信頼関係は
なかなか元に戻せなかったりします。

ですので、
長く安定した関係を築くためにも、

職場の人たちとはあまり親密な関係に
なりすぎない方が無難です。

そもそも職場にいる人たちは
ビジネスをやるために
集まっているわけですから、

必要以上に仲良く親密な間柄になる必要は
ないのです。

けれども、だからといって、
周りと距離を置きすぎるのも
それはそれで良くありません。

相手との距離が遠くなってしまうと、
こちらの伝えたいことが
伝わらなくなりますし、

相手も自分に
何も伝えてこなくなってしまいます。

「間違いを指摘すると嫌がられそうだから、
余計なことは言わずに黙っておこう」

「本当はこうした方が良いと思うけど、
面倒なことになったらイヤだから
言われた通りにしておこう」

こんなふうに思って、
お互いに遠慮して何も伝え合わないように
なってしまいます。

そうなってしまうと、
本来ならお互いに気になる点を伝え合って
ミスやトラブルを回避できたはずなのに、

大きな問題に発展してしまうようなことに
なりかねません。

このように、職場の人間関係は、
近すぎても遠すぎても良くありません。

社内の人たちと
「近すぎず、遠すぎずの関係」を
築くために、

この後で紹介していく言葉遣いや態度、
ふるまい方を用いて、

周囲の人々と適切な距離感を
保つようにすることが大切なのです。

雑談上手のコツ

先ほど

「職場では目的のないコミュニケーションは
すべきでない」

という話をしました。

ですので、それと矛盾するように
聞こえるかもしれませんが、

職場のコミュニケーションにおいて
「雑談」はとても重要です。

職種にもよりますが、
最近は近くの席に座っている人とでも
用事はメールで済ます人が増えています。

また、打ち合わせなどでも、

「結論から話してほしい」とか
「数字だけ教えてくれる?」などと

必要な情報だけをストレートに求める人が
多いように思われます。

こうした用件のみを伝え合うやり方は、
一見とても効率的な
コミュニケーションに見えますが、

「用件だけを教えてくれ」という
態度を取り続けていると、

先ほど述べたように、
相手との距離を遠ざけてしまうことに
なってしまいます。

そうなってしまうと、
聞かれたことは教えてくれるけれど、

それ以外のことは、
気づいていても伝えてもらえない関係を
作ってしまうことになります。

そうした状態にならないようにするために、
日頃から挨拶などをする際に、
少し雑談をするようにしたり、

何かを聞き出したい時でも、
いきなり本題に入らず、

少し雑談をして打ち解けてから
用件を切り出すようにした方が
相手との距離を適切に保ちやすくなります。

また、会議や打ち合わせをする際にも、
いきなり本題について
議論を始めるのではなく、

最初の数分間はちょっとした雑談をして、
参加者の気分をほぐしてから
議題について始めるようにすると、

発言しやすい雰囲気を
作り出すことができます。

このように、職場における雑談は、

相手との距離を適切に保って
コミュニケーションが取りやすい雰囲気を
作るのに有効ですので、

職場で適度に取り入れるようにすると
良いでしょう。

ただ、そうは言われても、
「私は口下手だから、雑談なんてムリ」と
思われる方もいらっしゃるかもしれません。

けれども、職場での雑談は、
何も自分から面白い話をしなければならない
わけではありません。

自分から話をするのが苦手なら、
相手に喋ってもらって、
自分は聞き役に回れば良いだけです。

よく「話し上手は聞き上手」と
言われたりするように、

人は誰かの話を聞くよりも、
話を聞いてもらうことに喜びを感じますから
話を聞いてあげればそれで十分なのです。

たとえば、話し相手に
子どもがいることを知っていたら、

「お子さんはもう大きいんですか?」などと
質問すれば、子供のことを
いろいろと喋ってくれるかもしれません。

それで、もし相手から
ただ「中2だよ」と返ってきただけなら、

「あ、そんなに大きいお子さんが
いらっしゃるんですね」などと言って
話を終えてしまってもいいですし、

「何か部活とかされているんですか?」と
更に質問をして、
話を広げることもできます。

雑談をする目的は、
相手と適度な距離感を保つことなので、
長く話をする必要はまったくありません。

そのためには、相手の住まいや家族構成、
趣味などを調べておいて、

それに関する質問をして、
相手に話を振るようにすると、
気軽に雑談がしやすくなります。

「ホウレンソウ」の伝え方

ビジネスのコミュニケーションでは
「ホウレンソウが大事」と
よく言われたりすると思います。

ご存知の通り「ホウレンソウ」とは、
「報告」「連絡」「相談」の
頭の文字を取って

「報連相(ホウレンソウ)」と
呼ばれているわけですが、

実際、職場の上司や、
一緒に仕事をしているメンバー、
取引先などへのホウレンソウが滞ると、

情報が共有されなくなって、
トラブルの元となります。

ホウレンソウは、
「迅速・正確・簡潔」に行うのが鉄則です。

ですが、ネガティブな内容を
伝えなければならない時は、

相手の気分を害してしまうのを恐れて、
報告するのをためらって
先延ばしにしてしまったり、

悪い話を隠して報告しなかったり、
ダラダラと言い訳から話しがちです。

けれども、そんなことをしても、
後々、余計に問題が
大きくなってしまったり、

相手を苛立たせてしまうだけで
何の意味もありません。

ですので、ホウレンソウをする際は、
スピーディーに結論から先に述べることが
大切です。

起きてしまったことは
変えられないことですから、

「相手にどう思われるか」を
必要以上に気にしすぎずに、
サッと伝えるようにしましょう。

根回しのコツ

「ホウレンソウ」は、
「ホウレンソウだね」と
「だね」が付け加えられることがあります。

これは「報連相(ホウレンソウ)」に
「打診」と「根回し」の頭の文字を
加えているもので、

業務をスムーズに進める上で
大事なスキルとなります。

たとえば、会議などで
自分の企画を通したい場合、

キーパーソンを見つけて
事前に打診・根回しをしておくことは
企画をスムーズに通す上でとても重要です。

打診や根回しをする際に大切なのは、
相手を説得しようとするのではなく、
相談する姿勢で話すことです。

相手を説き伏せようとすると
反発される可能性がありますが、

「相談に乗っていただきたいのですが…」
というスタンスで話をすれば、

もし相手が自分の企画に
あまり好意的でなかったとしても、

建設的な意見やアドバイスをしてくれるので
その意見を取り込むことで、
会議で自分の企画が通りやすくなります。

根回しというと、
悪いイメージを持たれがちですが、

仕事をスムーズに行う上では
とても大切なスキルですので、
積極的に行うようにすると良いでしょう。

ただし、いくら根回しすることが
大切だと言っても、
根回しする時にだけ近づいていたら、

相手から「オレを利用するつもりか?」と
警戒されたり、「打算的なヤツだ」と
嫌がられてしまいます。

そういったことにならないように、
普段から周りの人と
定期的にコミュニケーションを取って、

適切な距離感の関係を築いておくことが
大切です。

名前を呼んで話す

上司・部下を問わず、
誰かとコミュニケーションを取る際には、

相手の名前を呼んで話しかけると
その人との距離を縮めることができます。

たとえば、お礼を言う時に、
単に「ありがとうございます」と
言うよりも、

「〇〇さん、ありがとうございます」と
名前を呼んで言った方が
相手に好印象を与えやすくなります。

これは心理学で
「ネームコーリング」と呼ばれるもので、

相手と親密な人間関係を築きたい時に
使われるテクニックです。

ですので、
「相手とまだ打ち解けられていないな」と
感じる時は、

「〇〇さん、おはようございます」と
挨拶するなど、なるべく相手の名前を入れて
話をすると良いでしょう。

とはいえ、あまりにもしつこく
何度も相手の名前を連呼してしまうと、

会話が不自然な感じなってしまいますので、
やりすぎにはくれぐれもご注意ください。

「クッション言葉」を添えて話す

社内・社外を問わず、
ビジネスのコミュニケーションでは
「クッション言葉」がよく使われます。

クッション言葉とは、
相手に何かをお願いしたり、
お断りをしたりする時などに、

本題を切り出す前に
一言添えて使う言葉のことです。

たとえば、
単に「ご記入ください」と言うよりも、

「お手数ですが、ご記入ください」と
言った方が

相手に対して配慮の気持ちを伝えることが
できますよね。

また、相手からの誘いを断る際も、
断りの言葉を言う前に

「せっかくですが…」と一言添えるだけで、
だいぶ印象を和らげることができます。

この他にも、クッション言葉には
以下のようなものがあります。

「恐れ入りますが」
「ご都合がよろしければ」
「お忙しいところ申し訳ありませんが」
「ご面倒をおかけしますが」
「失礼ですが」
「差し支えなければ」
「ご迷惑でなければ」
「あいにくですが」

こうしたクッション言葉を
一言添えて話すようにすると、

相手に対して丁寧さや思いやりの気持ちを
示すことができるので、

コミュニケーションが
格段にスムーズになります。

また、クッション言葉を使うと、
相手と距離が近くなりすぎず、
適切な距離を保つことができます。

たとえば、単に
「今週中によろしくお願いします」と
言うのと、

「ご面倒をおかけしますが、
今週中によろしくお願いします」と
言うのでは、

相手との距離感がだいぶ違ってきますよね。

ですので、社内の人間と話したり、
メールをする際にも、

クッション言葉を添えて
やり取りをするようにすると、

適度な距離感を保ったコミュニケーションが
できるようになります。

以上が、職場コミュニケーションの
「基本編」になります。

快適な職場環境を築くための
ご参考にしていただければ幸いです。

明日は「上司・同僚への接し方」をテーマに
お話しいたします。

ご興味のある方は
併せてご覧いただけると幸いです。