分かりやすい文章を書くコツとは?

こんにちは。コミュテラスの西垣です。
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ビジネス文書、手紙、メール、SNS、
ブログ、メルマガなど、

文章を書く媒体や目的は
人によって様々だと思いますが、

どんな場合でも、
自分の言いたいことが相手に伝わらなければ
文章を書く意味がありませんよね。

詩や小説などのような
文学作品の芸術的な文章はともかく、

ビジネスシーンや日常生活で求められる
「上手な文章」とは、
誰が読んでも分かりやすい文章のことです。

そこで、今日は
「分かりやすい文章の書き方」について
説明してみようと思います。

文章を書く際に気をつけるべき
6つの重要なポイントを取り上げ、

それぞれ「悪い例」「改善例」を示しながら
解説していきます。

さっそく見ていきましょう。

結論から先に書く

文章を書く際には、
「何を伝えたいのか」を意識し、

結論から先に書き始めるようにすると、
相手に理解してもらいやすくなります。

前置きが長すぎたり、結論に至る理由が
先に書かれていたりすると、

読み手は「その文章が書かれた目的」が
後になるまで分からず、
とても読みづらさを感じます。

文章の結論は、
読む相手が知りたいことでもありますので、

相手の気持ちに立って、
相手の知りたいことを
早めに書くようにしましょう。

特にビジネス上の文章では、
簡単に挨拶をした後、

「さて、〇〇の件ですが…」などと、
すぐに用件を切り出し、
結論から書くのがマナーとされています。

悪い文例

良い文例

この文章でお客様が知りたい情報は、
「いつ商品が発送されるのか?」
という点です。

悪い例では、発送日という「結論」の前に、
すぐに発送できない事情を
書いてしまっているので、

読者にまわりくどい印象を
与えてしまいます。

上記の文例は、短い案内文なので
まだ良いですが、

長い文章になるとなかなか結論が見えず、
さらに読みづらい文章に
なってしまいますので、

ビジネス上の文章を書く際は特に、
文面のなるべく早い段階で、
結論を示すよう心がけましょう。

一つの文章を短くする

文章は長さによって、
読みやすさが大きく変わってきます。

一つの文章が長くなると、
盛り込まれる情報が増え、

読み手は頭の中で整理しながら
読まなければならないので、
理解がしづらくなってしまいます。

したがって、伝えるべき情報が多い時は、
一つの文章を長々と続けず、
複数の文章に分けるようにしましょう。

その際には、「一文一意」を意識して、
一つの文章には
一つのことだけを書くようにすると、

文章が短く単純な構成になって
分かりやすくなります。

読点「、」を多用して、
文章をどんどん繋げて書いてしまうと、

一つの文章の中に
複数の意味が盛り込まれてしまうので、
文意が分かりづらくなります。

たとえば、以下の文章は、
文章を読点「、」で繋げているので、
読み手に読みづらさを感じさせます。

文章を繋げている例

けれども、同じ内容でも、以下のように、
文章を句点「。」で区切るようにすれば、
意味を理解しやすくなります。

文章を区切っている例

上記で挙げた例は3行程度の文章なので、
文章が読点で繋げられていても、

まだ頭の中で文章の意味を追うことが
できると思います。

しかし、読点で次々と文章を繋げられて、
何行にもわたる長文になると、

読み手は頭の中で文意を追えなくなって
しまいます。

ですので、一つの文中に入れる読点「、」は
多くても2回までとし、

3回以上になってしまう場合は、
句点「。」を使って、
文章を区切るようにしましょう。

悪い例

良い例

「悪い例」の文章は、
会合に欠席したお詫びと別件の連絡の話を
一つの文章の中に入れて書いているので、
本題が分かりづらくなってしまっています。

「良い例」では、一文一意にすることで、
読み手が理解しやすく、
伝わりやすい文章になりました。

「~ですが、」「~ので、」「~ですし、」
などの言葉は、
文章を繋げる際に使われる表現です。

自分の書いた文章に
そうした言葉がある場合は、

そこで文章を区切れるか
検討する癖をつけると良いでしょう。

曖昧な表現を避ける

日本語には、「たぶん」「らしい」
「だろう」「のようだ」など

物事を断定的に言うのを避けて、
表現を曖昧にする言葉がたくさんあります。

けれども、こうした曖昧な言葉を使うと、
文章の意味があやふやになり、
よく分からないものになってしまいます。

特にビジネスシーンのやり取りでは、
文章は読む人にハッキリと
意味が伝わることが重要ですので、
曖昧な表現は避けるようにしましょう。

実際に、断定できない状況の場合でも、
曖昧な言葉は使わず、
以下のように表現すると良いです。

曖昧な表現の例と改善例

このように、不確定な要素があって
断定できない場合でも、

その事実を示しつつ、
言い切る形で書くことで、

内容の信頼性が高まり、
分かりやすい文章になります。

他にも、たとえば「~かもしれません」は、
「~の可能性があります」と
言い切る形で書くようにすると、

曖昧さが消えて、
分かりやすい文章になります。

また、「~だと思います」も、
表現が曖昧な印象になるので、
ビジネスシーンでは使わない方が良いです。

曖昧な表現の例と改善例

尚、文中で日付や時間を書く場合は、
ハッキリと数字で書くようにしましょう。

たとえば、メールで「明日」「明後日」と
書いてしまうと、

相手がそのメールを見たタイミングによって
誤解や勘違いが生じてしまう
可能性があります。

こうしたミスを避けるために、
日付を書く際には

「3月30日(水曜日)」などと
数字で明記するようにしましょう。

同様に、
「朝イチ」「午後イチ」という言い方も
時間がハッキリと指定されませんし、

「週末」という言葉も、
人によって金曜日と解釈する人もいれば、
土日と解釈する人もいるので、

誤解や勘違いが生じてしまう可能性が
あります。

曖昧な表現の例と改善例

誰が読んでも誤解なく伝わるように
書くことが、
伝わる文章を書き方の基本となります。

主語や目的語を省略しない

日本語の文章は、
主語が無くても成り立つ場合が多いので、

しばしば主語を省略して
文章を書いてしまいがちです。

もちろん、文脈から主語が明らかな場合は、
省略して書いてしまっても
別に問題はないのですが、

複数の解釈が考えられるケースでは、
主語を省略せず、
ハッキリと示して書くようにしましょう。

主語が省略されて分かりづらい例

上記の文章では、
2つ目の文章の主語が省略されているので、
誰が迎えに来るのか分かりません。

「私」が迎えに来ると解釈するのが
普通ですが、

「鈴木」や「田中」が来る可能性も
ありますし、
3人で迎えに来る可能性もあります。

こういう場合は、
次のように主語を明示して書いた方が、
相手に伝わりやすい親切な文章になります。

改善例

自分の頭の中では自明のことでも、
読み手がどのように解釈するかは
分かりません。

複数の解釈が考えられるケースでは
主語は省略せず、
しっかりと書くようにしましょう。

また、主語だけでなく、
目的語も省略せずに書く必要があります。

書いている本人は分かっていても、
それを読んだ相手が察してくれるとは
限りませんので、

誰が読んでも分かるように
明確に書くことが大切です。

目的語が省略されて分かりづらい例

書いている本人は、当たり前のように
宿泊先のホテルについて聞いているのかも
しれませんが、

この文章には目的語が書かれていないので、
読み手は、ホテルの予約のことを
聞かれているのか、

新幹線のチケットのことを
聞かれていているのか分かりません。

ですので、
自分では当たり前に思っていることでも、

目的語は省略せずに
しっかりと書くようにしましょう。

改善例

この改善例のように
「ホテルを」と目的語を明記すれば、

誰が読んでも
間違いなく意味の分かる文章になります。

家族や親しい友だちとやり取りをする場合は
主語や目的語を省略しても
意味は通じるかもしれませんが、

会社などで部下や後輩に指示を出す場合は、
主語や目的語を省略して書くと
分かりづらいですし、

内容を誤解されて、
大きなトラブルになってしまう危険性も
あります。

相手に伝わる文章を書くためには
「書かなくても分かるはず」という
思い込みは捨て、

主語や目的語を省略せずに、
しっかりと書くことが大切です。

主語と述語を対応させる

文章は、主語と述語の関係で
成り立っています。

ところが、文章が長くなって、
主語と述語が離れてしまうと、

いつの間にか
主語と述語が正しく対応していない
ヘンな文章になってしまうことが
しばしばあります。

主語と述語が正しく対応していない文章は、
読み手にとって
文章が理解しづらいだけでなく、

文法的にも明らかな誤りですので
注意が必要です。

主語と述語が正しく対応して居ない例

この文の主語は「ふるさと納税は」ですが、
述語が「控除が受けられます」と
なっているので、

読み手に違和感を与える
文章になってしまっています。

改善例

この改善例では、
「ふるさと納税は」という主語に対し、

「~が受けられる制度です」と
述語が正しく対応しています。

上記のNG例で挙げたような
主語と述語が正しく対応していない文章は
「ねじれ文」と呼ばれ、

一つの文章が長くなり、
主語と述語の位置が離れるほど
起こりやすくなります。

ですので、「ねじれ文」になってしまうのを
防ぐためにも、

文章を書く際は、
読点で文章を繋げて長々と書いたりせず、

なるべく句点で区切って、
一つ一つの文章を短く書くように
心がけましょう。

指示語を安易に使わない

「これ」「あれ」「それ」「どれ」など、
物事を指し示す働きをする言葉のことを
「指示語」と言います。

小学校では「こそあど言葉」と呼ばれて、
習ったりしますよね。

指示語は効果的に使えば、
文章を分かりやすく簡潔にまとめるのに
役立ちますが、

指示語が何を指しているのか
明確でない場合は、

読者を混乱させ、かえって分かりにくい
文章になってしまいますので、
気をつけましょう。

指示語が何をしているか分かりづらい例

一般に指示語は、
直前の語句を指すことが多いですが、

上記の例では、
「これ」が何を指しているのか
明確でないため、

今ひとつ内容が理解しづらく
なってしまっています。

上記の文例中の「これ」が指す内容は、
「緊急保証制度を受けるためには」という
意味ですから、

次のように書いた方が
分かりやすくなります。

改善例

「これには」と書く代わりに、
「この制度を受けるには」と言葉を補って
書くことで、

読み手はスムーズに文章の内容を
理解することができます。

このように指示語は、
直前の語句を指すだけではなく、

文の全体や一部を指すこともできる
大変便利なものですが、

それゆえ、読者を混乱させてしまうことも
しばしばあります。

ですので、指示語を使う際は、
その指示語が指している内容が明確になって
いるかどうかを意識するようにし、

少しでも明確でないと感じた場合は、
言葉を補うなどして、

読み手が誤解したり
混乱したりすることのないよう
配慮して書くことが大切です。

以上が、伝わる文章を書くコツになります。

分かりやすい文章を書くための
ご参考にしていただければ幸いです。