こんにちは。コミュテラスの西垣です。
今日は「ネクタイを触る心理」について
お話してみようと思います。
あなたの会社に
やたらと自分のネクタイの結び目を
触っている人っていませんか?
1~2回触るくらいなら
ちゃんとネクタイが締まっているか
手で触れて確認しているようにも見えますが
あまりにも頻繁に
ネクタイの結び目に手を当てるのは
ちょっと不自然なので、
その様子を見て
「何かヘンだな」と気になっている方も
いらっしゃると思います。
そこで、このページでは
ネクタイの結び目を触るしぐさには
その人のどんな心理が隠れているか?
また、
そのようなしぐさを見せている人には
どのように対応すべきか?
について、
具体的なシチュエーションを挙げながら
考えてみたいと思います。
さっそく見ていきましょう。
どんな心理の表れか?
ネクタイを触るしぐさは
行動心理学で「なだめ行動」の一種とされ、
不快感情の表れと説明されます。
なだめ行動についての詳しい解説は
「なだめ行動とは何か?」のページを
ご覧いただければと思いますが、
簡単に説明しますと、
不快な気分や感情を和らげるために
自分の体に無意識に手を触れて
心を落ち着かせようとする動作のことで、
顔や首、喉元、腕などに触れるしぐさが
よく知られています。
今回のネクタイを触るしぐさは、
正確には自分の体に触れているわけでは
ありませんが、
喉元に触れることの代償行為で、
不快感情を表す「なだめ行動」の一つと
考えられています。
したがって、ネクタイを触るしぐさは
心の中に不快な感情を抱いている表れと
考えられるわけです。
ですが、不快な感情と言っても、
緊張や不安、恐怖、嫌悪感、罪悪感など
いろんな気持ちがありますから、
よく分かりませんよね。
このように、より具体的に
しぐさに隠された真意を知りたい場合は、
まずはその時の状況から
相手が抱いているであろう不快感情を
推測して絞り込みます。
たとえば、会社であなたの部下が、
担当業務にトラブルが起きてしまったことを
報告しに来たとします。
部下の彼は、しきりに
ネクタイの結び目に手を触れながら
取引先のミスによって、
今回のトラブルが発生してしまったと
説明しているのですが、
彼はどのような感情を
心の中で抱いているのでしょうか?
このようなケースの場合には、
次の2つの可能性が考えられます。
①トラブルが起こってしまったことで、
上司からの評価が下がることに
恐怖心を感じている。
②自分のミスを隠すために
取引先のせいだと嘘の報告をしていて、
その嘘がバレないか不安を感じていたり、
後ろめたい気持ちを感じている。
たしかに、①と②どちらも
不快感情であることに変わりはないですが、
その内容はだいぶ異なっているので、
上司がすべき対応は
①と②ではだいぶ変わってきそうですよね。
どのような対応をすべきか?
このように上記の例では、
あなたの部下が抱いている不快感情は
①マイナス評価を恐れている
②嘘の報告をして不安や罪悪感を感じている
という
2つの可能性が考えられるわけですが、
では、このシチュエーションで、
上司のあなたは、どのように対応するのが
正解なのでしょうか?
まず最もやってはいけないのは、
部下の言っていることを嘘だと決めつけて、
話をよく聞かずに叱責することです。
たしかに、この部下の報告内容が
自分のミスを隠すための嘘である可能性は
もちろんあるのですが、
ネクタイの結び目に触っているというだけで
嘘だと決めけてしまうのは早計です。
実際、このケースでは、
トラブルの原因が誰にあるかは別として、
その部下が担当している業務に
トラブルが発生して
業務に支障が出ているわけですから、
彼自身がそのことを気にして
評価を下げられることを恐れている可能性は
十分に考えられます。
ですので、この場合には、
部下が嘘をついている可能性を疑いつつも、
彼の不安や恐怖を高めてしまわないよう
イヤな顔をしたりせず、
落ち着いた表情で話を聞くことが大切です。
そして、話の内容を注意深く聞きながら、
しばらく部下の様子をよく観察し、
もし説明の内容に気になる点や
矛盾を感じるような点などがあれば、
突っ込んだ質問をしたりして、
その時に、再びネクタイを触ったり、
他の種類のなだめ行動をしたりしないかを
チェックすると良いでしょう。
もし突っ込んだ質問をした時に
なだめ行動が増えるようなことがあれば、
そのことに関して
嘘をついている可能性が高いと
判断できますし、
特に変化が無いようであれば、
そのことに関しては嘘をついておらず、
ただ単に担当業務に支障が出たことで
自分の評価が下がるのを恐れているだけの
可能性が高いと判断できるというわけです。
以上、「ネクタイを触る心理」をテーマに、
ネクタイの結び目を触るしぐさには
その人のどんな心理が隠れているか?
また、そのようなしぐさを見せている人には
どのように対応すべきか?
について、
会社での上司と部下のやり取りの場面を例に
説明してまいりました。
こうして見てきました通り、
行動心理学におけるしぐさの解釈は
そのしぐさが表れている状況とセットで
判断することがとても重要で、
相手が同じしぐさを見せていたとしても、
シチュエーションが変われば
その解釈も変わってきます。
たとえば、合コンの場面で
ネクタイの結び目を触るしぐさをしている
男性がいたとしたら、
素敵な女性を前にして緊張していたり、
上手く喋れるか不安に思っている表れと
解釈されることになります。
ですので、相手のしぐさを解釈する場合は、
その場の状況をよく見て
総合的に判断することが大切です。
コミュニケーションのスキルを高めて
豊かな人間関係を築くための
ご参考にしていただければ幸いです。