「なだめ行動」はどんな心理を表しているか?

こんにちは。コミュテラスの西垣です。

この記事を書いている西垣の略歴
  • 大手・中小・外資系企業で人事歴20年
  • 5つのコミュニケーション資格を所持
  • 現在はコーチ・コンサルタント業に従事

私のプロフィール取得資格一覧

このページでは「なだめ行動」について
お話ししてみようと思います。

人間には精神的なストレスがかかると、
ついつい無意識の内にやってしまう
しぐさがあります。

こうしたしぐさは
心理学で「なだめ行動」と呼ばれ、
相手の心を読み取るのに使われたりします。

では、この「なだめ行動」には
具体的にどのようなものがあって、
どのように利用すれば良いのでしょうか?

さっそく見てきましょう。

なだめ行動とは何か?

人間は心の中に不快な感情を抱くと、
自分の体に手を触れたりして
心を落ち着かせようとする習性があります。

この習性によって
無意識に行われる動作やしぐさのことを
行動心理学では「なだめ行動」と呼び、

会話中に相手が心の中で抱いている感情や
思っていることを見抜くために
利用されたりします。

たとえば、
(あまり良い例でなくて恐縮ですが)

あなたが浮気をしたとして、
ふいに恋人から「昨晩何をしてたの?」と
聞かれたりしたら

おそらく咄嗟に嘘をついたりして
ごまかそうとするのではないでしょうか?

ですが、その時にいくら言葉では
もっともらしい説明ができて
上手くごまかせたつもりになっていても

あなたは嘘の説明をしながら
しきりに鼻や額などを触っていたりして、
相手から不審に思われているかもしません。

このように「なだめ行動」は、

イヤな思いをしている時や
困ったことが起きて動揺している時、

相手に対して言いにくいことを
話さなければならない時や

嘘をついていて
「これ以上突っ込まれたら困る」と
思っている時など

相手に対して不安や脅威を感じたり、
後ろめたさを感じている時に
頻繁に現れる傾向があります。

ですので、話し相手は、
普段と違うしぐさをするあなたに対して
違和感を感じたり、

なだめ行動についての知識がある人なら
「ちょっと怪しいな」と思って
警戒したりするわけです。

ちなみに、なだめ行動は
人間以外の動物にも見られるとされていて、

犬や猫が自分の体を舐めたりするのも
なだめ行動の一種だと考えられています。

したがって、なだめ行動は
私たち動物に備わっている本能的な習性と
言えるのかもしれません。

具体的にどんなしぐさがあるか?

では、なだめ行動には
具体的にどんなしぐさがあるのでしょうか?

一般的な例をいくつかご紹介します。

  • 目を合わせなくなる
  • 瞬きが増える
  • 手を体の後ろに組む
  • 自分の腕を触る
  • 急に質問できないほど喋りだす

上記ようなしぐさや行動を
相手が急にするようになった場合は、

その人は不安や不快感情を感じていて
嘘をついている可能性があります。

また、なだめ行動は
男女によって現れやすいしぐさが異なる
傾向があります。

 

男性によく見られるなだめ行動

  • 額をこする
  • 首の後ろに手を当てる
  • 鼻をこする
  • ネクタイに触れる

女性によく見られるなだめ行動

  • 喉元に手を当てる
  • ネックレスに触れる
  • 頬に手を当てる

 

普通に会話をしているつもりだったのに、
このようなしぐさが
急に目立つようになった場合は、

その話題が相手にとって
ストレスになっている可能性があります。

なだめ行動を判断する際の注意点

最後に、なだめ行動から相手の心理を
読み取る際の注意点について
お話ししておきます。

ここまで説明してきました通り、
人間が心の中に不快感情を抱いた時に
なだめ行動が現れやすい傾向があることは

大人数を対象とした行動心理学の研究で
実証されて明らかになっていますが、

相手がしきりに
首の後ろに手を当てているからと言って、
「嘘をついている!」と
決めつけてしまうのは禁物です。

どうしてかと言うと、
なだめ行動をしているからといって
相手が必ずしも嘘をついているとは限らず、

まったく予想もつかない別のことで
不快感情を抱いている場合も考えられますし

あるいは、単なるクセだったり、
痒くて首の後ろを掻いている可能性も
あるからです。

特に、もともと疑わしい状況があって
最初から相手に不信感を抱いている場合は

相手のしぐさや動作を
自分の思い込みで決めつけて
解釈してしまいがちなので注意が必要です。

たとえば、もともと相手に
浮気が疑われるような状況があったりして
「怪しいな」と思っているような時は、

その人の一挙手一投足が怪しく感じられて
会話の最中に相手の瞬きの回数が
ちょっと増えただけでも

それがなだめ行動で、
嘘をついている証拠だと決めつけて
しまいがちです。

もちろん相手が本当に
嘘をついている可能性も十分ありますが、

単にコンタクトレンズが乾いてしまって
瞬きが増えただけかもしれず、
その時点で決めつけるのは早計です。

こういった状況では、
真実を明らかにするために、
すぐにでも相手の嘘を
突き詰めたくなったりするものですが、

そこはグッとこらえて
一度ゆっくり呼吸をして冷静になり、

嘘をつかれている可能性を疑いつつ、
相手の話す内容をよく聞いて
矛盾する点がないかを確認したり、

意図的に話題を変えて
相手のなだめ行動が減るかどうかを
チェックしたりするなど

相手が本当に嘘をついているかを
落ち着いて見極めることが大切です。

 

以上、なだめ行動の具体的なしぐさや、
相手の心理を読み取る際の注意点について
考察してまいりました。

より良い人間関係を築くための
ご参考にしていただければ幸いです。