腕のしぐさで相手の心の状態が分かる?

こんにちは。コミュテラスの西垣です。

この記事を書いている西垣の略歴
  • 大手・中小・外資系企業で人事歴20年
  • 5つのコミュニケーション資格を所持
  • 現在はコーチ・コンサルタント業に従事

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今日は「腕のしぐさが表す心理」をテーマに
お話してみようと思います。

前回お話しした「手」と同様に、
「腕」も人間が心の中で抱いている感情を
無意識に表現しています。

具体的にどのような腕のしぐさが
人のどんな心理を表しているのでしょうか?

さっそく見ていきましょう。

腕を上げたり、活発に動かすしぐさ

私たち人間は、嬉しいことがあったり、
ワクワクするような出来事があると、

腕を上に上げたり、
振り回したりするなど
普段よりも活発に動かす習性があります。

大人になると、人目を気にして
あまり派手に動かしたりはしませんが、

私の小学生の息子は
遊んでいて楽しくなって興奮してくると
腕を激しく振り回したりするので

それが周りの子に当たったりして
たまにトラブルになることがあります。

また大人でも、スポーツ選手などは
良いプレーをした時に両手を上げて
派手にガッツポーズをしたりますよね。

もちろんスポーツ選手でなくても、
努力した成果が出たり、
ラッキーな出来事があった時には、

嬉しくて思わず小さくガッツポーズを
したりすると思います。

このように、
腕を上げるなどの活発に動かすしぐさは
その人がポジティブな感情を
抱いていることを表しています。

腕を下げて体にくっつけるしぐさ

腕を上に上げるのとは逆に、
人間は不安や恐怖心を感じたり、
動揺したりすると、

腕を下に下げて、
体にくっつける習性があります。

これは危険から自分の身を守ろうとする
動物的な反応の表れとされ、

腕を下げて体にぴったりつけることで
できるだけ体を小さく縮めて
身の安全を守ろうとする心理が窺えます。

怒られる場面でよく見られるしぐさで、
不安や恐怖、動揺などの
不快感情を抱いていることが分かります。

腰に両手を当てるしぐさ

腰に両手を当てて肘を張るしぐさには
自分の縄張りを主張する意味があり、

権威を示して相手に威圧感を与えたり、
相手の問題を追求しようとする時などに
よく見られるしぐさです。

部下の仕事のミスを指導する場面など、
何か問題が起きた場面で
男性に多く見られるしぐさです。

女性がこのしぐさをする場合は
権威を誇示する意味は薄れますが、
問題を追求しようとする意識が
強くなっていることを表わしています。

また、両手を後ろで組む姿勢も同様に
自分の縄張りを主張する意味があり、

「近づくな」「自分の方が立場が上だ」
というメッセージを表していて、
社会的地位の高い人によく見られます。

腕を組むしぐさ

腕を組むしぐさは
多くの人が様々な場面でするしぐさで、
隠されている心理には
いくつかの解釈がありますが、

このしぐさには、大きく分けて
次の3つの可能性が考えられます。

①考え事をしている

何か問題が起きたりして
その解決方法などを考えている時に

知らず知らずのうちに
腕を組みながら考え込んでいる人は
案外と多いです。

みぞおちよりも低い、
お腹のあたりで腕を組んでいる場合は
考え事に集中している可能性があります。

②相手に威圧感を与える

先ほどの「腰に両手を当てるしぐさ」と
同じですが、

腕組みのしぐさにも、
相手に威圧感を与え権威を誇示したり、
問題を追求したいという意図が
隠されていることがあります。

特に男性が胸のあたりの位置で
腕を組んでいる時は、

自分が優れていることを誇示し、
相手を威嚇して優位に立とうとする心理が
働いている可能性が高いです。

また、腕組みしている時に
こぶしを握っているような場合は、
相手に敵意を抱いている可能性があります。

③不快な感情から自分を守る

腕を組むしぐさには、
腕を盾にして体を守りたいという心理が
表れている場合もあります。

特に前屈みの姿勢で
お腹のあたりの位置で腕を組んでいる時は

緊張や不安、後ろめたさなどの不快感情から
自分を守ろうとする気持ちの表れである
可能性が高いです。

たとえば、
初対面の人と会って緊張していたり、
目の前に苦手な人がいて警戒している時や、

隠し事をしていたり、
相手の意見に賛成できない時などに
人は思わず腕を組んでしまったりします。

また、電車の中で腕組みする人が多いのも
周りに他人がたくさんいて、
警戒心が強まるためだと考えられています。

ちなみに、腕を組むのと似たしぐさに
「肘を抱えるしぐさ」がありますが、

これも不安や緊張、後ろめたさなどの
不快感情を和らげるために行う
なだめ行動の一種と考えられていますし、

ソファなどに座っている時に
自分のバッグや、置いてあるクッションを
抱えたりする女性は多いですが、

これも不快感情から
自分を守るしぐさだとされています。

このように
腕組みのしぐさに隠されている心理には
大きく分けて3つの可能性があります。

 

尚、腕組みのしぐさは
単純に気温が寒い時にもしたりしますし、

「手持ち無沙汰だから」とか
「腕が楽だから」といった理由で
腕組みが癖になっている人もいますので、

相手が腕を組んでいるからと言って、
すぐに不快感情や権威誇示などと
短絡的に決めつけるような解釈をせず、

その時の状況や、他のしぐさなどと併せて
総合的に見極めることが大切です。

 

以上、「腕のしぐさが表す心理」について
いろいろと考察してまいりました。

腕は人間の体の中でも大きく、
さりげなく観察しやすい部位ですので、

円滑なコミュニケーションを取って
相手とより良い人間関係を築くための
ご参考にしていただければ幸いです。