恋愛は本当に第一印象が勝負なのか?

こんにちは。コミュテラスの西垣です。

西垣の略歴
  • 大手・中小・外資系企業で人事歴20年
  • 5つのコミュニケーション資格を所持
  • 現在はコーチ・コンサルタント業に従事

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よく「恋愛は第一印象が勝負!」などと
言われたりしますが、
それって本当なのでしょうか?

たしかに、私たちが
他人と人間関係や恋愛関係を築いていく上で
相手に最初に与える印象はとても重要で、

その後に親密な関係に発展するかどうかに
とても大きな影響を与えます。

けれども、第一印象は悪かったけれど、
その後、好きになって付き合い始めたという
カップルも意外と多くいたりします。

恋愛で第一印象が重要というのは
果たして本当なのでしょうか?

このページでは、

  • 「恋愛は第一印象が勝負」と言われるのは
    なぜか?
  • 相手に良い第一印象を与えるには
    どうしたら良いか?
  • 第一印象が悪くても、
    その後好きになったりするのはなぜか?

について、
心理学の点から考察してみようと思います。

さっそく見ていきましょう。

人は最初の刺激を記憶しやすい

私たち人間は、
最初に入ってきた刺激が強く印象づけられ、
記憶に残りやすい傾向があります。

そのため、最初の印象が良ければ、
その後に多少マイナスイメージになるような
言動をしてしまったとしても

相手には既に良いイメージが
強く印象づけられているため、

本来ならマイナスイメージに繋がる言動も
ポジティブに解釈してくれたりして、
悪い印象を持たれにくくなります。

逆に言うと、最初の印象が悪いと、
その後でいくら良い言動をしたとしても、

「良い人ぶってる」などと
マイナスに受け取られてしまったりして、
挽回しづらくなってしまいます。

このような人間の心理的な傾向は
心理学で「初頭効果」と呼ばれていて、

最初に与えられた印象が
良くも悪くも後々まで影響力を持つことが
分かっているため、

他人と良い人間関係を築くためには
第一印象が大切と言われているわけです。

また、人間関係の中でも
特に恋愛ではその場限りのケースも多いので
第一印象がより重要になる場合があります。

たとえば、恋愛関係の出会いでは、
飲み会や合コン、婚活パーティ、
知人の紹介での食事、偶然の出会いなど、

第一印象が良くないと次に繋げられず、
その場限りの出会いになってしまうケースも
少なくありませんよね。

どんなに素敵な魅力を持っていたとしても、
初対面で相手に好印象を抱いてもらうことが
できないと、

その魅力を発揮する機会が訪れないことが
多かったりします。

ですので、出会いを一度切りで終わらせず、
次に会う機会を作って
上手く行く確率を高めるためにも、

初対面で良い第一印象を相手に与えることは
とても重要なわけです。

良い第一印象を与えるコツ

では、初対面の相手に
好ましい第一印象を与えるには
どうしたら良いのでしょうか?

大切なのは、初頭効果を活かすために
最初から自分のプラスの面を
相手にしっかりと伝えていくことです。

謙虚な姿勢を見せたりして、
相手に好印象を与えるというのも
一つの方法ではありますが、

それが行き過ぎて、
自分のダメな点を正直に伝えてしまうのは
逆効果です。

自分の欠点を隠さずに
相手に正直に伝えることは
もちろん悪いことではありませんが、

それを打ち明けるのは、
相手があなたに対して
好印象を抱いてくれてからにした方が、

初頭効果の点からも
すんなりと受け入れてもらえる可能性が
高くなります。

ですので、あまり謙虚になりすぎず、
自分の良さをしっかりと表現して
相手に好印象を与えるようにしましょう。

とはいえ、そんなことを言われても、
具体的にどうしたら良いのか
分からなかったりしますよね。

相手に好印象を与えるために
聞こえの良いことばかり言っても、

本心で思っていなければ、
いずれバレて「口先だけの人」
思われるのがオチですし、

そもそも好印象を与えるために
自分を偽った言動をしてしまったら

自分の本当の良さを
相手に伝えることができませんから、
せっかくの機会を無駄にしてしまいます。

したがって、
相手に好印象を与えると言っても、
無理して好感を持たれるような言動を
するのではなく、

普段通りの素の自分の良さを出しながら、
その上でちょっとした工夫をすると
第一印象をより良くすることができます。

そのちょっとした工夫とは、
相手に笑顔を見せながら、
普段より1トーン高めの声で話すことです。

アメリカの心理学者
アルバート・メラビアンによると、

人間は他人と会話をする際、
言語・聴覚・視覚の3つの情報を通して
コミュニケーションを取りますが、

各情報が相手に及ぼす影響の度合いは、

・話の内容などの言語情報が7%
・声のトーンなどの聴覚情報が38%
・見た目などの視覚情報が55%

とされていて、
この3つの情報に矛盾が生じた場合、
相手は割合が高い方の情報から優先して
印象を受け取るとされています。

たとえば、
「お会いできて嬉しいです」と暗い声で、
無表情で挨拶をすると、

言語情報と聴覚・視覚情報の間に
矛盾が生じる状態になるため、

挨拶をされた人は言葉の内容よりも
相手の声のトーンや表情から
マイナスの印象を受け取ることになります。

つまり、人とのコミュニケーションでは
会話の内容については
実はそれほど重視されておらず、

それよりも、見た目や話し方から伝わる
情報の方が重要というわけです。

したがって、最初の挨拶の時点で、
笑顔を見せながら、普段より少し高めの声で
話しかけるようにすると、

相手に対して効果的に
好印象を与えることができるのです。

もちろん、笑顔と声の高さ以外にも、
第一印象をより良くするために
気を配るべき点はあります。

たとえば、清潔感のある髪型や服装は、
より良い視覚情報を
相手に与えることができます。

特に恋愛では、まず最初の段階で
容姿によって恋愛対象としてアリ・ナシを
判断されてしまうことが多いですので、

先ほどのメラビアンの法則以上に
視覚情報の占める割合が高いと言えます。

ですので、突然の出会いにも対応できるよう
普段から清潔感のある見た目を
心がけるようにしておくと良いでしょう。

また、話し方についても、
あまり早口で喋ってしまうと、
相手に不快な聴覚情報を送ってしまい、
せっかちな印象を与えてしまいますので、

緊張していたとしても
落ち着いてゆっくり聞き取りやすいリズムで
話すように心がけましょう。

とかく初対面の相手との会話では、
「何を話そう」
話す内容に気を取れがちですが、

それよりは、見た目や話し方に
気をつけるようにした方が効果的ですので、
頭に入れておくようにしましょう。

尚、やや細かい
テクニック的な話になりますが、

会話をしている際に、
相手の話し方や身振りをマネするのも、
好印象を与えるのに効果的です。

これは心理学で
「ミラーリング」と呼ばれていて、

自分に似ているものに親近感を感じるという
人間の心理傾向を利用し、

相手の行動を鏡のように真似ることで
その人に親近感を持たせたり
好感を抱かせる心理テクニックです。

ただし、あまり露骨にやると
相手に気づかれて不審に思われますので、
さり気なく真似するのがコツです。

第一印象で失敗したらおしまいか?

ここまでの説明で、
恋愛関係における第一印象の大切さと、

相手に良い第一印象を与えるコツについて
お分かりいただけたかと思います。

では、初対面の相手に
良い第一印象を与えられなかったら、
それでもうアウトなのでしょうか?

もちろんそんなことはありません。

先ほども説明しました通り、
第一印象は出会いを一回限りで終わらせず、

また会う機会を作るなど、
次に繋げて上手くいく確率を高める上で
たしかに重要なのですが、

良い第一印象を与え損ねたからといって、
それですべてが終わってしまうわけでは
ありません。

むしろ、また会う機会を作れるのであれば、
最初の印象が悪い方が、かえって良い方向に
作用することもあったりします。

よくテレビなどで、結婚したカップルが
「第一印象は最悪だった」と語っているのを
聞いたりすることがありますよね。

実際、私の知り合いにも
結婚式でお互いの最初の印象を
「最悪だった」語っていた夫婦がいました。

第一印象が最悪だったのにも関わらず、
どうしてその後付き合って、
結婚するほどまでの仲になるケースが
しばしば起こるのかのというと、

それは、最初に会った時の悪い印象が
その後に覆されると、
より強い印象が相手に与えられるからです。

たとえば、いかにも真面目で親切そうな人が
お年寄りに席を譲っているのを見ても
さほど気に留めることはありませんが、

ヤンキーっぽい風貌の人が
お年寄りに席を譲っているのを見たら
結構インパクトがありますよね。

「見かけによらず意外とイイ人だな」って
感心したりすると思います。

いわゆるギャップ萌えというヤツですね。

それと同じで、
最初に会った時は「無口で怖そうな人だな」
という印象だったけど、

次に会って話をしてみたら
「優しくて良い人だった」といった
印象の覆り方をすることはよくあります。

もし相手が最初から普通に会話をしていたら
特に印象に残ることもなく
終わっていたはずですが、

第一印象が「無口で怖そう」だったために、
普通に話をしただけで
「優しくて良い人」になるわけです。

このように、第一印象が悪かったとしても、
むしろそれが後になってプラスに働くことは
珍しくありません。

ですので、第一印象で
相手に良い印象を与えられなかったとしても
それで諦めてしまう必要は全くありません。

では、どうしたら良いのか?

こうして見てきました通り、
一般に「恋愛は第一印象が勝負!」と
言われたりすることがあるものの、

実際のところは、
良い印象を与えても、悪い印象を与えても、
実はどちらでも大丈夫だったりします。

強いて言えば、第一印象では
「何か気になる」と相手に感じさせて、

相手の記憶にしっかりと自分を残して、
次のチャンスに繋げられるかどうかが
鍵となります。

その意味では、
最初からあまりにも悪い第一印象を
相手に与えてしまうと、

その後に会う機会自体が失われ、
悪印象を覆すチャンスが
一切なくなってしまう怖れがあるので、

第一印象はなるべく良くしておいた方が、
次に繋げられる確率が高まるという点で
無難と言うことができます。

けれども、
職場の同僚や学校の同級生などのように、

その後も定期的に
相手と顔を合わせる機会があるのであれば、
第一印象の良し悪しは別にどちらでも良く、

相手に「何か気になる」と感じさせて、
相手の記憶に自分をしっかりと
印象づけることが大切です。

もし相手に良い第一印象を与えられれば、
初頭効果によって相手にポジティブな印象を
抱き続けてもらいやすくなりますし、

仮に悪い印象を与えたとしても、
次に会った時にそれを覆せば、

ギャップ萌えによって
より鮮烈にポジティブな印象を
相手に抱いてもらうことができます。

つまり、
「恋愛は第一印象が勝負!」と言うのは、

必ずしも「相手に好印象を与えて、
好かれないといけない」という意味ではなく

次のチャンスに繋がるように、
第一印象で相手の記憶に
しっかりと残らなければならないという
意味だったりします。

初対面の相手との会話では、
とかく自分を良い人そうに見せようとして
しまいがちですが、

本当に大事なのは
相手の印象に残ることですから、

ヘンに自分を偽って
好人物に見せようとしたりせず、

相手の記憶に残ることを意識しながら、
素の自分を良さを相手にアピールすることが
大切です。

気になる人と素敵な関係を築くための
ご参考にしていただければ幸いです。