こんにちは。コミュテラスの西垣です。
(私のプロフィール、取得資格一覧)
会社で仕事をする上で
避けて通れないのが電話対応ですよね。
ですが、社会人経験の浅い方の中には、
「電話対応が苦手」という方が
少なくないようです。
電話はメールと違って
相手とのリアルタイムのやり取りなので、
時間をかけて考えることができず、
その場に応じた
臨機応変な対応が求められるのが
難しいところですよね。
また、電話では、話している声が
周りにいる社員に聞こえてしまうため、
「上手く話さなければ」とか
「ミスしたら恥ずかしい」などと思って
余計に緊張して上手くいかず、
電話を取るのにも、かけるのにも、
苦手意識を感じてしまう人が多いようです。
ですが、職場での電話は、
話す相手や内容はその都度違っても、
最初の挨拶や話し方、切り方のパターンには
決められたマナーがあるので、
それさえ覚えて、身に付けてしまえば
さほど難しいことはありませんし、
怖がる必要もなくなります。
そこで、このページでは
「電話対応の基本マナー」について
解説しようと思います。
さっそく見ていきましょう。
電話の受け方・取り次ぎ方
私は長年、企業の人事部に在籍し、
様々な社員の方々と接してきましたが、
新卒で入社してきた新入社員や、
中途採用で転職してきたばかりの方は
職場で自分の目の前にある電話が
鳴っていたとしても、
出たがらない人が結構多かったりします。
「誰からかかってくるか分からないし…」
「まだ会社のこと何も分かってないから、
私が出ても意味がないし…」
「電話に出て失敗したら恥ずかしいし…」
いろんな思いが絡み合って、
電話に出るのを尻込みしてしまうのだと
思います。
ですが、かかってきた電話に出ることは
大事な仕事の一つです。
特に忙しい部署では、
かかってくる電話にとりあえず出て、
適切な人に取り次ぐだけでも、
職場に貢献していることになります。
また、そうやって積極的に
電話に出るようにしていると、
「入ってきたばかりなのに頑張ってるな」と
周囲の社員からも
一目置かれるようになりますし、
会社やその部署の仕事の概要が
どんどん分かってきますので、
早く仕事を覚えて、
職場に馴染むことにも繋がります。
会社での電話の受け方や取り次ぎ方は、
パターンを覚えてしまえば、
あとはそれを繰り返すだけですから
別に難しいことはありません。
電話の受け方・取り次ぎ方の流れは、
大きく分けると次のパートで構成されます。
① 電話に出て名乗る
② 相手の名前を確認して、挨拶する
③ 用件を聞いて、担当者に取り次ぐ
そして、もし担当者が不在だった場合は、
④ 折り返しの電話の約束などの対応をする
⑤ 終わりの挨拶をする
という流れになります。
① 電話に出て名乗る
これは、電話を受けて発する
第一声のことで、
誰でも大体想像がつくと思いますが、
「はい、お電話ありがとうございます。
〇〇会社でございます」
「はい、〇〇会社〇〇部の
鈴木でございます」
といった感じの
お決まりのフレーズのことです。
会社の規模や業種、その部署の業務内容、
あるいは、受ける電話が「代表電話」か
「直通電話」か「内線電話」かによって、
社名だけ名乗るべきなのか、
部署と個人名まで名乗るべきかは
変わってきますが、
その辺りは、
周りの社員の受け答えを参考にしながら、
自分が言いやすい
「お決まりのフレーズ」を決めて、
電話を取ったら、それが無意識に
出るようにしてしまいましょう。
また、3コール以内に出ることが
できなかった場合は、
最初に「お待たせいたしました」と
お詫びの言葉を言ってから、
名乗るようにしましょう。
② 相手の名前を確認して、挨拶する
電話に出て、こちらが社名や名前を言えば、
相手も同じように自分の社名と名前を
名乗るはずですから、
まずは「相手の会社名・名前」を
しっかりと確認します。
もし相手が名乗らない場合は、
「失礼ですが、どちら様でしょうか?」
「恐れ入りますが、
お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
などと言って、
相手の名前を聞くようにします。
また、相手の名前が聞き取れなかった場合も
うやむやにしたりせず、
「恐れ入りますが、もう一度
おっしゃっていただけますでしょうか」
などと言って、
必ず確認するようにしましょう。
そして、相手の名前を確認したら、
「〇〇会社の〇〇様でいらっしゃいますね。
いつもお世話になっております」
「〇〇様、いつもお世話になっております」
などと、
相手の名前を復唱しながら挨拶します。
③ 用件を聞いて、担当者に取り次ぐ
相手から用件を伺って、
誰宛ての電話なのかを確認します。
もし自分宛ての電話だったり、
自分で対処ができる内容の場合は、
もちろんそのまま対応しますが、
他の人への電話だったり、
自分では対応・判断できない内容の場合は、
「佐藤でございますね。かしこまりました。
少々お待ちくださいませ」
「担当の者に代わりますので、
少々お待ちください」
などと言って、保留ボタンを押し、
通話を転送して、
しかるべき人物に取り次ぎます。
④ 折り返しの電話を約束するなどの対応をする
通話を転送したものの、
取り次ぐべき担当者が不在だった場合は、
「大変お待たせして申し訳ございません。
佐藤はただいま外出しておりまして、
16時頃に戻る予定でございます」
などと、「待たせたことのお詫び」
「取り次げない理由」
「連絡がつくタイミング」を伝えます。
そして、
「いかがいたしましょうか。
佐藤が戻り次第、〇〇様にお電話を
差し上げますが、よろしいでしょうか」
などと、相手に決定権を委ねる言い方で、
対応策を提案します。
相手が折り返しの電話をすることで
納得した場合は、
「それでは、念のため〇〇様のお電話番号を
伺ってもよろしいでしょうか」
と相手の電話番号を聞き、
聞き間違いがないかどうか、
復唱して確認するようにします。
⑤ 終わりの挨拶をする
最後に、以下のような言葉で、
やり取りした内容を確認し、
自分の名前を伝え、挨拶し電話を切ります。
「それでは、佐藤が戻りましたら、
〇〇様へ電話をするように申し伝えます。
私、鈴木と申します。
お電話ありがとうございました」
電話は「かけた側から切る」のが
原則ですので、
相手が電話を切ったことを確認してから、
受話器を置くようにしましょう。
「伝言メモ」の残し方
電話を受けたものの、
担当者が不在で取り次げなかった場合は、
その担当者に電話があったことを
確実に伝えなければなりません。
その場合は、「伝言メモ」を使いましょう。
「伝言メモ」とは、
本来は伝言があった場合に残すものですが、
仮に伝言を預からなかったとしても
電話があったこと自体を伝えるために
メモに残すようにします。
会社によっては伝言メモのフォーマットが
決まっている場合があり、
その場合は、それを使えば良いですが、
所定のフォーマットがない場合は、
付箋などを使って作成します。
伝言メモには、
以下の情報を簡潔に記載します。
・メモの宛名(=不在だった担当者の名前)
・電話がかかってきた日時
・相手の会社名・名前
・用件
・電話を受けた人(=あなたの名前)
そして、不在だった人が席に戻った時に、
すぐに伝言メモに気づけるよう
デスクの目立つところに置いておきます。
他の種類に紛れたり、
風で飛んでいってしまったりしないよう、
デスクやパソコンにテープで
留めておくようにすると、より安全です。
電話のかけ方
電話をかける時に大切なことは、
事前にしっかりと準備をすることです。
準備をする際は、
相手の名前(フルネーム)や部署名、
電話番号を確認し、
話す内容をあらかじめ簡単に
書き出しておきましょう。
そして、話の内容に関連しそうな資料は、
手元に置いて、
いつでも参照できるようにしておいたり、
重要な話になった時に
すぐにメモが取れるよう
筆記具を用意しておくことも大切です。
こうした準備が整ったら、
いよいよ電話をかけるわけですが、
電話をかける際は、
以下のような流れになります。
① 電話をかけて、名乗る
② 話したい相手への取次を頼む
③ 相手の都合を確認して、用件を話す
④ お礼の挨拶をして、電話を切る
① 電話をかけて、名乗る
まず、電話をかける際には
「時間帯」に気をつけましょう。
緊急の用件だったり、
相手が時間を指定している場合は別ですが、
先方の会社の業務時間外に電話をかけるのは
当然マナー違反です。
そもそも、業務時間外は
電話が繋がらない会社が多いですが、
直通電話などで相手に電話が繋がる場合でも
よほどの事情がある時以外は
かけてはいけません。
また、先方の業務時間内であっても、
始業直後や昼休み、終業間際に
電話をかけるのは避けましょう。
電話をかけて、相手が出たら
「〇〇会社の鈴木と申します。
いつもお世話になっております」
と「会社名」と「名前」を名乗ります。
相手が聞き取りやすいよう、
ゆっくりと丁寧に話すようにしましょう。
② 話したい相手への取次を頼む
次に、話をしたい相手の名前を伝えて、
取り次いでもらいます。
「恐れ入りますが、〇〇部の〇〇様は
いらっしゃいますか」
「恐れ入りますが、〇〇様に
お取り次ぎいただけますか」
同じ会社や部署内に同性の人がいる場合、
下の名前を聞かれますので、
その際はフルネームを伝えます。
尚、話したい相手が不在だった場合は、
時間をおいてこちらからかけ直すのが
原則となります。
ですので、先方から相手が不在の旨を
伝えられた場合は、
「かしこまりました。
では、後ほどお電話いたします。
お戻りはいつ頃のご予定でしょうか」
などと、会社に戻ってくる予定の時刻を
確認しておけば、かけ直すタイミングを
判断しやすくなります。
③ 相手の都合を確認して、用件を話す
相手が出たら、再び名乗って、挨拶をし、
相手が電話で話せる状態かどうか
都合を聞きます。
「〇〇会社の鈴木です。
いつもお世話になっております。
××の件ですが、今お時間をいただいても
よろしいでしょうか」
細かい表現はもちろん違って構いませんが、
相手が話せる状態かどうか、
都合を確認することが重要です。
そして、相手の都合に
問題がないようであれば、
そのまま用件を話すことになりますが、
忙しいようであれば、
相手に都合の良いタイミングを尋ね、
その時刻に改めてかけ直すようにします。
④ お礼の挨拶をして、電話を切る
用件を話し終わったら、
電話をかけた側から切るのが基本ですので、
こちらから最後の挨拶を切り出して、
電話を切ります。
「では、よろしくお願いいたします。
お忙しいところお時間をいただき
ありがとうございました。失礼いたします」
最後の挨拶を終えたら、
こちらから電話を切って構いません。
ただし、受話器を「ガチャン」と置いて
切るのはNGです。
指でフックを押さえて
静かに電話を切るようにしましょう。
携帯電話・スマートフォンのマナー
携帯電話の普及により、
最近はプライベートで固定電話を使う機会が
めっきり減ってきていると思いますが、
ビジネス上の連絡は、依然として
「固定電話同士で行うのが基本」と
されています。
とはいえ、最近は
外回りの仕事が多い職種の方を中心に、
携帯電話でやり取りをしなければ
仕事にならないという方は
大勢いらっしゃいますし、
急ぎの用件の時などに、
携帯電話を使ってやり取りすること自体は
別にマナー違反ではありません。
ですが、携帯電話やスマホは、
使い方を間違えてしまうと、
相手に不快感を与えてしまうことに
なりかねませんので、
注意して使うようにしましょう。
まず気をつけたいのは、
電話をする「時間帯」です。
携帯電話はいつでもかけられて、
相手にも繋がりやすいので、
つい気軽にかけてしまいがちですが、
早朝や夜遅くなど、
就業時間以外の時間帯にかけたり、
昼休みなどの休憩時間にかけるのも
避けるようにしましょう。
また、スマホや携帯電話を
枕元に置いて寝る人もいますから、
メールやSNSなどのメッセージも
深夜や早朝に送るのは避けておいた方が
無難です。
そして、電話をかける際は、
電波の状態を確認し、
静かな場所からかけるのが鉄則です。
電波が不安定な場所で携帯電話を使うと、
上手く通話ができなかったり、
途中で切れてしまったりして
相手に不快な印象を
与えてしまうことになりますし、
駅のホームなど騒がしい場所からかけると、
声が聞き取りづらくなって、
会話に誤解が生じてしまったり、
自分の声が大きくなって、
相手に不快な思いをさせる場合があります。
しかも、そうした会話を第三者に聞かれて、
会社の機密事項が漏れてしまったら
一大事です。
ですので、携帯で電話をかける場合は、
いくら急いでいたとしても、
電波の状態が安定していて、
周囲に人のいない静かな場所から
かけるようにしましょう。
もし騒音の激しい場所で
電話を受けてしまった場合は、
そのことを相手に断って、
静かな場所に移動して
かけ直すようにしましょう。
尚、通話の途中で
電話が切れてしまった場合は、
かけた方からかけ直すのが
基本とされています。
ですが、自分が電話を受けた側であっても、
なるべく自分の方から
かけ直すようにした方が無難です。
通話が途中で切れてしまった場合、
電話が切れた本当の原因が
どちらの側にあるせよ、
相手はこちら側の電波状況やミスで切れたと
感じているかもしれません。
ですので、
通話の途中で電話が切れてしまったら、
「先ほどは電話が切れてしまい、
失礼しました」と誤りながら、
自分の方からかけ直すようにした方が
よいでしょう。
ちなみに、
固定電話にかける時もそうなのですが、
携帯電話にかける時は特に、相手が
「移動中だけど、ひとまず電話を取った」
という場合が考えられるので、
「今、お電話よろしいでしょうか」などと
用件を話し始める前に、
必ず相手の状況を尋ねるようにしましょう。
また、携帯電話に電話をした場合は、
電話に出た相手は名乗らないことが
多いと思います。
ですが、そうした場合でも、
仕事上の電話の場合は、
「〇〇さんの携帯電話で
よろしいでしょうか?」と
念のため確認するようにしましょう。
いきなり用件を話し始めたら、
実はかけ間違いをしていて、
別の会社の人に機密情報を話してしまった
ということも考えられますので、
気をつけるようにしてください。
以上が、会社における
電話対応の基本マナーになります。
ご参考にしていただければ幸いです。