人間関係はなぜ長続きしないのか?

こんにちは。コミュテラスの西垣です。

この記事を書いている西垣の略歴
  • 大手・中小・外資系企業で人事歴20年
  • 5つのコミュニケーション資格を所持
  • 現在はコーチ・コンサルタント業に従事

私のプロフィール取得資格一覧

今日は
「人間関係はなぜ長続きしづらいのか?」
テーマにお話ししていこうと思います。

人と人との関係って
移ろいやすいものですよね。

深い関係が築けたなと思っても
いつの間にか疎遠になってしまったり
ギクシャクしてしまったりして

長期間にわたって
ずっと親密な関係が維持されることは
あまり多くなかったりします。

後になってから
「どうして疎遠になったんだっけ?」
不思議に思ったり、

当時の自分を思い出して
「あんなこと言わなければ良かった」
後悔したりすることがありますよね。

そこで、このページでは

人間関係は
どのような時に崩れていくのか?

引き続き関係を維持したい場合には
どうすれば良いのか?

について考えてみようと思います。

一緒に見てきましょう。

人間関係が崩れるのはどんな時?

良好な人間関係とは
お互いに相手のことを尊重し、

支え合ったり、助け合ったり、
影響を与え合ったりする関係のことを
言います。

相手に何かを与えるだけだったり、
受け取ったりするだけの
一方的な関係ではなく、

お互いに何かをしてもらったら、
何かを返すというような
相互的な関係のことを指します。

これは社会心理学で
「社会的交換理論」と呼ばれるもので、

ヒトは「報酬」の交換によって
人間関係を形成していて、

その「報酬」は物質的なモノに限らず、
情報や援助行動などの無形物や
愛情や尊敬といった情緒的なものも
含まれるとされています。

つまり、私たち人間は、
お互いに有形無形の様々な「報酬」を
交換し合いながら
人間関係を築いているわけです。

そして、「報酬」の交換が
お互いにとって満足いくものであれば
関係は継続されていきますが、

どちらかが満足できない
不均衡な状態になってしまうと
損を取り返そうとしたり、

その関係を終わらせて
公平な「報酬」の交換ができそうな人と
新たな関係を築こうとしたりします。

そりゃ、いつも何かをしてあげるばかりで
相手からはほとんど何もしてもらえない
状態が続けば

さすがに相手に好感を抱けなくなって
関係を終わりにしようかなと
考えてしまいますよね。

ですので、
良好な人間関係が保たれるためには、

関係を維持するのにかかる「コスト」と
それによって得られる「報酬」との
バランスがとても重要になります。

ここで言う「コスト」とは、
人間関係に費やされる時間や労力の他に
我慢や心配などの心理的負担を指し、

「報酬」とは、先ほど説明した通り、
プレゼントのような物質的なモノをはじめ、
有益な情報や援助行動、愛情・尊敬など

自分に喜ばしい感情を与えてくれる
有形無形の要素を指します。

コストと報酬のバランスが取れていれば
お互いが満足して
安定した関係が継続されますが、

コストが報酬を大きく上回る状態が続くと
相手と関係を持ち続けることに
意味が見い出せなくなってしまいます。

また逆に、
コストに比べて報酬の方が大きすぎても、

お返しをしなければならないと感じる
「返報性の原理」によって
心理的負債がかかり、

次第に居心地が悪くなって
関係を続けづらくなったりすることも
あります。

関係を維持していくための注意点

このように人間関係を維持するためには
コストと報酬の平衡バランスが
保たれていることが大切で、

そのバランスが崩れてしまうと
心の中に「葛藤」が生じて
関係を続けるのが困難になっていきます。

この「葛藤」は夫婦や恋人をはじめ、
親子や兄弟など、関係性が深い間柄ほど
生じやすい傾向があるとされています。

たしかに、人間関係のトラブルって
関係性が近しい間柄ほど
面倒なことになったりしますよね。

「葛藤」が生じた時の最善の対処法は、
相手と自分の違いを認めて、
自分の考え方や行動を変えることです。

相手を無理に変えようとすると
反発して、より意固地になってしまう
可能性がありますし、

説得しても変わらない様子を見れば、
相手に対してより一層の
不満や怒りを感じることになります。

そして、不満や怒りの感情が
さらにエスカレートしてしまうと

脅したり、暴力的な手段を使って
相手を攻撃するようになり、

最終的に取り返しの付かない結果に
なってしまうこともあります。

ですので、特に親密な関係を
維持したいという気持ちが強いケースでは

相手を無理に変えようとするのではなく、
自分自身が変わろうとする柔軟さが
関係を維持していく秘訣と言えます。

 

以上、人間関係の維持について
いろいろと考察してまいりました。

良好な人間関係を築いて
それを保ち続けるための
ご参考にしていただければと思います。