信頼関係を築くためにどんな話し方をすべきか?

こんにちは。コミュテラスの西垣です。

この記事を書いている西垣の略歴
  • 大手・中小・外資系企業で人事歴20年
  • 5つのコミュニケーション資格を所持
  • 現在はコーチ・コンサルタント業に従事

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今日は「信頼関係を築く話し方」をテーマに
お話しをしていこうと思います。

自分の気持ちを上手く伝えたり、
話をきちんと理解してもらったりするには
相手と信頼関係を築くことが大切です。

信頼していない相手の話は
そもそも聞きたくありませんし、

たとえ話を聞いたとしても
話の内容を積極的に理解しようとしたり、
信用して受け入れようとしたりは
しませんよね。

ですので、
円滑なコミュニケーションを取る上で
相手と信頼関係を築くことは、
とても重要なことです。

とはいえ、信頼関係とは本来、
相手と長い時間をかけて
ゆっくりと築かれていくものですから、

初対面の相手や、
会ってまだ日の浅い人と信頼関係を築くのは
容易なことではないですよね。

ビジネスなどの現場はもちろん、
プライベートでも一期一会の出会いは
しばしばありますから、

そういった場面では
ゆっくりと信頼関係が築かれるのを
待っているわけにはいかなかったりします。

そこで、このページでは、

初対面の相手とでも
できるだけ早く信頼関係を築いて
心が通じ合う状態を作り出す方法

について解説していきます。

さっそく見ていきましょう。

ラポールとは何か?

相手と信頼関係を築き、
心が通い合う状態を作ることができれば
話が伝わりやすくなり、

相手と良好なコミュニケーションが
取れるようになるわけですが、

この相手と相互的に信頼関係を築くことを
心理学の用語で
「ラポールを築く」と言います。

「ラポール(rapport)」とは
フランス語で「橋を架ける」という
意味を持つ言葉に由来していて、

元々は臨床心理学のカウンセリングの場面で
セラピストとクライエントが信頼し合い、
安心して感情の交流を行える関係を指す
言葉でしたが、

最近では、もっと一般的な
日常的な場面において、

人と人が和やかな心の状態で通い合い、
親密な信頼関係にあることを指す言葉として
広く使われるようになっています。

つまり、他人と円滑なコミュニケーションが
取れるようになるためには、

いかにして早く
相手とラポールを築けるかが鍵になります。

効果的なラポールの築き方

では、初対面の相手など
まだよく知らない人とラポールを築くには
どうしたら良いのでしょうか?

それには、相手と会話をする際に
次の3つのテクニックを活用すると効果的で

まだお互いによく知らない相手とでも
自然に心が通じ合い
信頼関係が築きやすくなります。

①ペーシング

会話をしている二人の話すリズムやテンポ、
スピード感が合っていると、
お互いに話がしやすく感じますよね。

ですので、相手の話し方に合わせて
こちらも同じようなペースで
会話をするようにすると、

相手は話をしやすく感じ、
安心して会話ができるようになります。

すると、その結果、
相手は心が通い合っているように感じ、
ラポールが築かれるようになります。

このように相手の話し方のペースに合わせて
自分も同じような話し方をすることを
「ペーシング」と言います。

早口の相手には早口で話すようにしたり、
反対にゆっくり話す相手には
ゆっくりと話すようにするなど、

話し方のスピードを相手に合わせると
親近感が生まれやすくなりますし、

相手の呼吸を観察して、
呼吸のペースや深さを合わせるようにすると

話し手と聞き手の中に一体感が生まれて
良好なコミュニケーションが
取れるようになります。

よく小さな子どもに話しかける時に、
子供っぽい話し方をしたりすることがあると
思いますが、

これもペーシングの一種で、
子供の話し方に合わせて話しかけることで、
小さな子供も話がしやすく感じるわけです。

したがって、会話をする際には、
相手の話すリズムやスピード、
呼吸にペースを合わせるだけでなく、

声の高さや大きさも合わせるようにすると、
相手との間により一層の親和性が生まれ、
ラポールが築きやすくなります。

②ミラーリング

人間には、自分と共通点のある人に
親近感を抱くという
「類似性の法則」というものがあります。

たとえば、初対面の相手と話をしていて、
その人と同じ学校出身だったことが分かると
親近感が湧いたりしますよね。

ミラーリングとは、この性質を利用して、
会話をしている相手のしぐさや姿勢などを
鏡に映しているかのように真似ることで、

相手との間に共通点を作り、
親近感を抱かせることでラポールを築く
テクニックのことを言います。

具体的には、
たとえば喫茶店で二人で話をしている時に、

相手がコーヒーを飲んだら、
こちらもコーヒーを飲むといったように
相手の動きを真似したり、

相手が前のめりになって話をしていたら、
こちらも同じように
前のめりの姿勢を取るようにします。

こうして相手のしぐさや姿勢、表情などを
真似しながら話をしていると、

相手はこちらに対して共通点を感じ、
お互いの心の距離が縮まっていきます。

ただし、相手の真似をするといっても、
相手が鼻を触ったから、
すぐに自分も鼻を触るといったような

露骨な「猿真似」になってしまっては
意味がありません。

相手と同じタイミングで同じ動きをすれば、
真似をしていることに気づかれてしまい
かえって逆効果になります。

ですので、相手が鼻を触ったら、
少し間を置いてから鼻を触るようにしたり、
鼻の代わりに口を触るようにしたりと、

タイミングをずらしたり、
類似の他のしぐさをしたりして

相手に気づかれないように
その人のしぐさや動きを真似るのが
ミラーリングを行う際のコツになります。

③バックトラッキング

バックトッラキングとは、
日本語で「オウム返し」と呼ばれるように、

相手の言葉を繰り返すことで
ラポールを築くテクニックのことです。

たとえば、こんな感じです。

相手:「週末、映画を観に行ったんです」
自分:「映画を観に行ったんですね」

このように、
相手の言った言葉をそのまま返すことを
バックトラッキングと言います。

バックトラッキングは
傾聴のテクニックとしても有名ですが、

相手の言った言葉を同じように繰り返すと
それが「あなたの話を聞いています」という
サインを相手に送ることになります。

すると、相手は
「自分の話を聞いてくれている」と感じて
話がしやすくなりますし、

そうやって気分良く話をすることで、
「自分の話を受け入れてくれた」
「自分のことを理解してもらえた」
と感じるようになり、

その結果、話し手と聞き手の間に
ラポールが築かれるようになります。

このようにバックトラッキングは、
簡単にできるわりに
とても効果の高いテクニックですが、

ミラーリングと同じように
露骨にやり過ぎてしまうのはNGです。

相手の発言をその都度オウム返しにしたら、
さすがに不審に思われてしまいます。

ですので、バックトラッキングをする際は、
相手の話の中での重要な事実や、
その人の気持ちや感情を表す言葉など

大事なキーワードを拾って
繰り返すようにすると良いでしょう。

尚、露骨なオウム返しになってしまうのを
避けるために

相手の言葉を別の言葉に言い換えて
同じ内容を繰り返そうとする人がいますが、
それはあまり良くありません。

たとえば、
「〇〇に挑戦したんだ」という人に対して
「〇〇にチャレンジしたんですね」などと

同じ内容を別の言葉で言い換えて
バックトラッキングしようと
するわけですが、

こうした言葉の言い換えをすると
相手に違和感を与えることになり、

せっかく気分良く話をしているのを
妨げてしまう恐れがあります。

ですので、バックトラッキングをする際は、
相手の言葉を言い換えたりせず、

その人が発した言葉を
そのまま返すようにしましょう。

 

以上が、相手と信頼関係を築いて
話をするためのコツとなります。

相手とラポールを築いて
良好なコミュニケーションを取るための
参考にしていたければ幸いです。