人と自分を比べてしまうのはなぜか?

こんにちは。コミュテラスの西垣です。

この記事を書いている西垣の略歴
  • 大手・中小・外資系企業で人事歴20年
  • 5つのコミュニケーション資格を所持
  • 現在はコーチ・コンサルタント業に従事

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このページでは
「人と比べてしまう心理」について
お話ししていこうと思います。

友人のことを羨ましく思って嫉妬したり、
同僚が簡単そうにやっていることが
自分にはできなくて焦ったり、

他人と自分を比べて
ツラい気持ちになってしまうことって
結構あったりしますよね。

どうして私たち人間は
他人と自分を比べてしまうのでしょうか?

その原因や対処法について
一緒に考えていきましょう。

人間が持つ「所属欲求」とは何か?

他人と自分を比べてしまう心理は
私たち人間が「社会的動物」であることと
深く関係しています。

社会的動物とは、簡単に言いますと、
集団を作って、周りと協力しながら
助け合って生きている動物という意味です。

※「社会的動物」の定義については
他人の目が気になるのはなぜ?のページで
詳しく説明しています。

ヒトは太古の昔から集団を作って
仲間と協力して食糧を確保したり
外敵から身を守りながら生きてきましたし、

現代でも、地域や家族、学校や職場など
さまざまな集団に所属しながら
生活を営んでいますから、

集団に上手く適応することは
人間が生きていく上で
極めて重要なテーマだと言えます。

それゆえ、私たち人間は
集団から排除されることに恐怖を感じ、

集団の中に安心できる居場所を
確保したいと願う「所属欲求」を
本能的に持っています。

人と比べてしまうのは人間の本能的な反応

このように人間には所属欲求があるので、
他人からの評価に
過敏になってしまう傾向があります。

たとえば、周りの人達よりも
自分の能力が劣っていると感じると

「迷惑をかけていないだろうか?」とか
「ダメな奴と思われていないか?」などと
不安になりますし、

また反対に、

自分よりも劣った人を見つけて
「私は大丈夫だ」と安心しようとしたり、

他人よりも優れた存在であると
周りにアピールするために
自慢をしたり、虚勢を張ったりします。

つまり、集団の中に
自分の居場所を確保するために
周りの人から認められたいと思うのです。

この他者から認められたいと思う気持ちは
「承認欲求」と呼ばれ、
人間が持つ根本的な欲求とされています。

したがって、私たち人間が
ついつい他人と自分を比べてしまうのは

ヒトが集団に適応するために持っている
本能的な反応と言えるのです。

嫉妬や劣等感から逃れる2つの方法

こうして見てきた通り、
他人と自分を比べてしまうのは
人間なら誰もが持っている心理です。

ですので、人のことを
羨んだりするのは普通のことで

そのことを気に病んだり、
罪悪感を感じたりする必要はまったく
ありません。

むしろ、承認欲求は
努力するためのモチベーションに
なったりもしますので、

人と比較してしまう心理は
必ずしも悪いものではありません。

けれども、
他人を羨む気持ちが強くなりすぎて
劣等感で気分がふさぎ込んでしまったり、

嫉妬心で攻撃的になってしまうようなら、
何らかの対策が必要かもしれません。

そういった場合には
以下の2つの方法を試してみてください。

所属する集団を複数持つ

まず1つ目の方法は
複数の集団に所属してみることです。

この方法は
他人の目が気になるのはなぜ?」でも
紹介していますが、

所属する集団を複数持つことで
自分の「所属欲求」を満たそうという
わけです。

人の評価というものは
周りの状況によって変化する
相対的なものです。

たとえば、同じ生徒でも
俊足な子ばかりがいるクラスに入れば
「足が遅い子」になってしまいますが、

逆に、周りが鈍足な子ばかりなら
「足が早い方だ」と自分でも思いますし、
他人もそう評価することになります。

これは、かけっこの順位や
学力テストの点数などのような
数値で表せるものに限らず、

容姿や性格などのような
数字で評価できないものについても
言えることです。

また、評価される内容も
所属する集団の種類や性質によって
まったく違ってきます。

たとえば、会社では
「仕事ができる」ことが
何よりの評価の対象になりますから

営業職の社員は
契約件数などの営業成績によって
職場での存在価値が評価されますが、

週末のテニスのサークルでは
テニスの上手い下手が
重要な評価対象になったりします。

このように、人の評価というものは
所属する集団によって
評価の尺度や対象が大きく異なります。

ですので、複数の集団に所属すれば
自分自身を客観的に見ることができますし、

いろんな人たちから
様々な面を多角的に評価してもらえて
所属欲求を満たしやすくなります。

そうすれば、
人と自分を比べて落ち込んだりすることは
かなり無くなるはずです。

「承認欲求」があると自覚する

もう一つ試していただきたい方法は、
「自分には承認欲求がある」と
自覚することです。

先ほど説明した通り、
承認欲求とは他者から認められたいと思う
気持ちのことですが、

自分の心の中に
人から認められたい欲求があることを認めて
しっかり意識するのです。

たとえば、一緒に合コンに参加した友人が
周りの異性からの注目を一身に集めて
チヤホヤされていたら、

それを見て嫉妬したり、
自分がまったく相手にされないことに
落ち込んだりするかもしれませんが、

そういう時は、
「自分もモテたいと思っているんだな」
「チヤホヤされたいんだな」などと

自分に承認欲求があることを素直に認めて
受け入れてしまうと良いです。

そうやって、嫉妬を感じたり
落胆している原因が承認欲求にあると
自覚するだけで

自分の置かれている状況を客観的に
眺めることができるようになり、

「合コンでモテたからって
一体何になるんだろう」などと
落ち着いて考えられるようになります。

このように、他人と自分を比べて
心がざわついてしまった時には、

「この心のざわつきの原因は
自分に承認欲求があるからなんだな」
意識することをオススメします。

そうすれば「人は人、自分は自分」と
思えるようになるはずです。

ご参考にしていただければ幸いです。