
こんにちは。人事歴20年の心理カウンセラー、あおいです。
- 機嫌によって態度や言うことがコロコロ変わる
- 自分のやり方を押しつけ、細かいことまで口うるさく言ってくる
- 自分のミスはごまかすのに、人のミスは大げさに責める
お局が意地悪をするのは、あなたに落ち度があるからではありません。原因の多くは、お局自身が抱えている不安や不満にあります。
目指したいのは、お局をやっつけることではなく、あなたがストレスなく働ける環境を手に入れることです。人事とカウンセリングの経験から、お局の意地悪から身を守る4つの対処法をお伝えします。
- まずはお局の懐に入る
- 攻撃の材料を与えない
- 「心の鎧」でダメージを減らす
- お局が手を出しにくい状況をつくる
※この記事の内容はYouTube動画でも解説しています。
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お局が意地悪をするのはなぜ?3つの心理

お局が意地悪をする裏には、主に3つの心理があります。
1つ目は、居場所を失うことへの不安です。お局は勤続年数が長く職場で影響力を持っていますが、「いつか居場所がなくなるのでは」という不安を抱えている人が少なくありません。
新しい人が入ってくると不安が強まり、わざと情報を教えなかったり、小さなミスを大声で指摘したりして相手の評価を下げようとします。昔のやり方や自分のルールを押しつけるのも、「自分がいないと職場が回らない」状態をつくって居場所を守るためと考えられます。
2つ目は、満たされない承認欲求です。「これだけ貢献してきたのだから、もっと評価されたい」という思いが強いのに、望むほどには評価されていません。
後輩の仕事を細かくチェックしたり「こんなことも知らないの?」とマウントを取ったりするのは、自分の優位を見せつけて価値を実感したいからです。
3つ目は、幸せそうな人への嫉妬です。私生活や今の立場に不満や孤独感を抱えていると、上司に評価されている人や、家族に恵まれて幸せそうな人に嫉妬しやすくなります。
3つの心理はどれも、お局の側の問題です。意地悪をされたら「この人は居場所を守るのに必死なんだな」と、一歩引いて眺めてみてください。そう思えるだけで、相手の言葉を真に受けずに済みます。
お局の意地悪から身を守る4つの対処法
まずはリスクの低い①から試し、効かなければ②③④と守りを固めていくのがおすすめです。
① まずはお局の懐に入る

助かったことを具体的に伝えて感謝する。困ったときは「〇〇さん、少しご意見を伺ってもいいですか?」と相談してみる。
「なんで私から歩み寄らなきゃいけないの?」と思ったかもしれません。それでも最初にこの方法をすすめるのは、お局が手ごわい相手だからです。
長くその職場にいて社内の人間関係や裏の事情にも詳しいため、正面から戦うと返り討ちにあうおそれがあります。しかも簡単には辞めないので、一度対立すると長い消耗戦になりがちです。うまく懐に入れれば、攻撃が止むだけでなく心強い味方になってくれることもあります。
意識したいのは次の3つです。
- 具体的に褒める・感謝する:「〇〇さんの資料、いつも分かりやすくて助かります」のように、本当に助かったことを伝えます。
- 頼る・相談する:相手を立てて相談すると、あなたを「立場を脅かす敵」ではなく「慕ってくれる後輩」と見てくれやすくなります。
- あえて隙を見せる:お局は優秀な後輩ほど警戒します。完璧に見せようと頑張りすぎず、少し抜けたところも見せると警戒がゆるみます。
ただし、ご機嫌取りとは違います。媚びたりへりくだりすぎたりすると「何をしても大丈夫な相手」と見なされ、かえって意地悪がエスカレートしかねません。先輩に礼儀正しく接するくらいで十分です。
この方法が効きやすいのは、関係がこじれる前です。しばらく試しても変わらなければ、無理に続けず次の方法に切り替えましょう。
もう関係がこじれているのか、まだ続けてよいのかは、自分では見極めにくいものです。あなたの職場の状況に合わせて考えたいときは、公式LINEで個別に相談できます。
② 攻撃の材料を与えない
報告や連絡はできるだけメールで送り、上司や同僚をCCに入れておく。
懐に入る方法が効かなかったら、「被害をいかに小さくするか」に作戦を切り替えます。ここからは隙を見せないことが大切です。
お局は、あなたの仕事にミスや抜けがないか目を光らせています。報告を一度忘れただけで「聞いてないんだけど!」と怒ることもあります。
報連相はこまめにし、やりとりをメールで残してCCで周りにも共有しておけば、「聞いてない」という言いがかりを防げます。
ミスをしたときは言い訳をせず、「申し訳ありません。以後気をつけます」と素直に謝ってしまうのがコツです。相手は言うことがなくなり、話が早く終わります。
もう一つ、仕事に関係のない会話は控えてください。プライベートな話は陰口のネタにされやすく、結婚や家庭、恋人の話は嫉妬の火種にもなりかねません。
ただし、挨拶と仕事に必要な会話は続けます。そこまでやめると「挨拶もしない」と、新しい攻撃の口実を与えてしまうからです。
③ 「心の鎧」でダメージを減らす
きつい言葉を言われたら、その中の「事実」だけを拾って淡々と返す。
同じ職場にいる以上、理不尽な攻撃は避けきれません。心を守るには、相手との間に心の境界線を引くことが大切です。ポイントは2つあります。
1つ目は、感情と事実を分けて受け取ることです。たとえば「いい年して、こんなこともできないの?」と言われたとします。
「いい年して」という感情の部分は聞き流し、「できていない」という事実にだけ「早く覚えられるよう努力します」と返します。
感情的な言葉は、相手がまき散らしている「心のゴミ」のようなものです。わざわざ拾う必要はありません。反応しないでいると相手は手応えがなくなり、攻撃が減っていきます。
2つ目は、「この人はそういう人」と割り切ることです。「なんであんな言い方をするんだろう」と考え続けると、心が疲れてしまいます。長年かけてできあがった性格を、あなたが変えるのは難しいものです。
おすすめは、お局を天気のようなものだと考えることです。急な大雨にいちいち腹を立てないように、「今日も雷が鳴っているな」と眺めてみてください。
④ お局が手を出しにくい状況をつくる

笑顔で挨拶し、困っている人には「何かお手伝いしましょうか?」と声をかける。
お局が狙うのは、職場で孤立していて攻撃しやすい相手です。反対に、周りに味方が多い人にはなかなか手を出せません。
「でも、周りはみんなお局の味方に見える…」と不安に思った方もいるかもしれません。私が相談を受けてきた経験では、その心配はほとんどの場合、思い過ごしです。周りの人は対立が面倒で表面上は合わせているだけで、内心では「あの人はちょっと厄介だな」と感じていることが多いものです。
特別なことは要りません。挨拶やお礼、休憩中の一言二言の雑談といった、毎日のふるまいで十分です。
「職場のみんながお局の味方だ」と思い込んで、一人で悩んでいた方がいました。挨拶や小さな手助けを続けるうちに、同僚と少しずつ話せるようになったそうです。
すると、ほかの人たちも「あの人には困っている」と感じていたことが分かり、トラブルが起きたときには味方になってくれました。
我慢を続けても、お局の意地悪は止まりません
「自分が我慢すれば丸く収まる」と、つらい状況に耐えて働いている方は少なくありません。でも、我慢して攻撃が止むことはほとんどありません。言い返さない相手だと分かると、意地悪がさらに強まることもあります。
自分ではどうにもできないつらい状況が長く続くと、「どうせ何をしても無駄だ」と感じて、抜け出す行動がとれなくなることがあります。心理学で学習性無力感と呼ばれる状態で、状況を変えるチャンスが来ても動けなくなってしまいます。
「もう限界かもしれない」と感じたら、上司や人事部に相談してください。気持ちを訴えるより、次のような事実をそろえて伝えるほうが会社も対応しやすくなります。
- いつ・どこで・何をされたかのメモ
- 嫌がらせが分かるメールやチャット
- できれば、暴言の音声
上司が動いてくれないときは、その上の管理職や社内の相談窓口、労働組合も頼れます。
それでも変わらないときに備えて、異動や転職という選択肢も持っておきましょう。今すぐ辞めなくても、転職サイトに登録したりキャリア相談を受けたりするだけで「いつでも辞められる」という心の逃げ道ができ、気持ちに余裕が生まれます。何より大切なのは、あなた自身の心と体の健康です。
- 学習性無力感について:Seligman, M. E. P., & Maier, S. F. (1967). Failure to escape traumatic shock. Journal of Experimental Psychology, 74(1), 1–9.
- 学習性無力感のその後の研究について:Maier, S. F., & Seligman, M. E. P. (2016). Learned helplessness at fifty: Insights from neuroscience. Psychological Review, 123(4), 349–367.
まとめ
お局の意地悪は、居場所を失う不安や承認欲求、嫉妬といったお局自身の問題から生まれることがほとんどです。一歩引いて相手を眺めながら、リスクの低い方法から試してみてください。4つの対処法をおさらいします。
- まずはお局の懐に入る
- 攻撃の材料を与えない
- 「心の鎧」でダメージを減らす
- お局が手を出しにくい状況をつくる
お局の性格は変えられなくても、関わり方は今日から変えられます。あなたが職場で穏やかな気持ちで働けることを願っています。



