こんにちは。コミュテラスの西垣です。
今日は「目の動きが表す心理」をテーマに
お話してみようと思います。
日本語には昔から
「目は心の鏡」「目は口ほどに物を言う」
といった言葉がありますが、
相手が何も喋っていなくても、
目を見ただけで、その人の抱いている感情が
分かることってありますよね。
もちろん相手の表情から感情を察するのは
別に日本人に限った話ではありませんが、
日本人は、欧米人に比べると
社会的な協調を非常に重視する民族で、
言葉でハッキリと自己主張する人が
あまり多くないため、
言葉で伝達される情報よりも、
相手の表情から本心を読み取ろうとする
傾向が強いとされています。
また、愛想笑いをする人のことを
「目が笑っていない」と言ったりしますが、
実際、顔の中でも
目元は、口元のように大きく器用に動かして
意識的に表情を作るのが難しく、
本心を偽りにくいという特徴があるため
そういった点でも、
「目」は相手の本音や本心を読み取る際の
とても貴重な情報源となります。
そこで、このページでは、
目の動きから
相手の心理を読み取る方法について、
行動心理学の研究を踏まえて
いろいろと考えてみたいと思います。
さっそく見ていきましょう。
視線の動きで相手の心理が分かる?
人間の心理状態は
目の動きや視線の向きに表れることが
行動心理学の研究で明らかになっています。
視線の研究は盛んに行われていて
それらの研究結果を詳しく挙げ出すと
キリがなくなってしまうので、
ここでは日常生活で役に立つ
代表的な視線のしぐさを3つご紹介します。
上向きに泳ぐ目
過去の視覚的な記憶を思い出そうとする時に
表れるしぐさです。
相手から何か質問をされて、
過去に見た出来事の光景を思い出しながら
答えるようなケースでよく見られます。
視線が本人から見て右上に向いている時は
実際には見ていない映像を
頭の中で捏造している可能性があり、
嘘をついている時に
表れがちなしぐさとされています。
ただし、絶対に正しいわけではなく、
左利きの人は左右が逆になることも多いと
言われていますので、
相手の嘘を疑う場合は、決めつけたりせず
他のしぐさや状況などを加味して
総合的に判断するようにしましょう。
下向きに泳ぐ目
不安や焦りなど不快な感情を抱きながら
思案している時に表れるしぐさです。
職場でミスをしたりして
言い訳や理屈を考えている場面などで
よく見られます。
このような場面で、
突っ込んだ質問をされて追求されると
不快感情を示すなだめ行動のしぐさが
見られることが多いです。
左右に泳ぐ目
自信の無さを表すしぐさで、
誰から責められたり、決断を迫られたりする
場面でよく見られます。
人間は自分に自信が持てていない状況では
周囲の反応がとても気になり、
無意識に左右を確認してしまうために
左右に目が泳ぐと考えられています。
目を閉じるしぐさは何を示しているか?
目を閉じるしぐさにも
相手の重要な心理が隠れていることが
分かっています。
人間は五感を通して
外界の情報を入手していますが、
知覚される情報の約8割は
視覚から得ていると言われています。
つまり、目は人間の認知活動の大半を担う
重要な情報収集器官で、
外界から非常に多くの情報を受け取って
それを脳に伝達しているわけですが、
人は不安や心配、恐怖など
心がネガティブな感情に支配されると
「これ以上考えたくない」という思いから
脳を休ませるために
目を閉じるしぐさをする傾向があります。
目を閉じて外界からの刺激を遮断し、
脳を一時的に休ませて
心のゆとりを作り出そうとするわけです。
したがって、会話をしていて
以下のようなしぐさが見られた場合は
相手が不安や心配、恐怖などの
不快感情を抱いている可能性が高いので
注意する必要があります。
目を閉じて聞く
一見すると、相手の話を
注意深く整理しながら聞いているように
見えますが、
心の根底には不快感情が
隠されていることが多いしぐさです。
目に手を当てる
会話の途中に
ほんの一瞬だけ表れることが多いので
見落としがちですが、
不快感情が隠されている場合があるので
注意が必要なしぐさです。
手でまぶたを押さえる
「今聞いた情報は知りたくなかった」という
強い不快感情を示すしぐさで、
男性に多く見られるとされています。
瞬きが表す心理状態
ご存知の方も多いと思いますが、
目の瞬きの回数にも
人間の心理状態がよく表れます。
もともと瞬きは、目の乾燥を防いだり、
目に入りそうなゴミを避けたりするなど
目を守るために行うしぐさですが、
心の中に心理的な葛藤を抱えると
それが無意識の内に
瞬きとして表れる傾向があることが
行動心理学の研究によって
明らかになっています。
たとえば、有名な例としては、
人は嘘をつくと無意識に瞬きの回数が
増えてしまう傾向があります。
これは、後ろめたい気持ちを
落ち着かせるために無意識に行ってしまう
「なだめ行動」の一種で、
会話の途中で相手の瞬きの回数が
急に増えるようなことがあったら、
その人は嘘をついている可能性がある
というものです。
ただし、瞬きが増えたからといって
絶対にその人が嘘をついているという
わけではありません。
嘘をついている時以外にも、
相手の質問の意図が上手く理解できなくて
どう答えたら良いか分からない時など
状況を正しく把握できなくて
困惑している場面でも瞬きが増えるという
行動心理学の実験結果もありますし、
単にコンタクトレンズの違和感のために
瞬きが増えただけということも
考えられます。
ですので、会話をしていて
相手の瞬きの回数が急に増えた場合でも
「瞬きの増加=嘘」と決めつけたりせず、
相手の話をよく聞いて
矛盾する点が無いかを確認したり、
わざと違う話題を振って
瞬きの回数が変化するかをチェックするなど
嘘をつかれている可能性を疑いつつも
様々な状況を総合的に見て
冷静に判断することが大切です。
以上、目の動きから
相手の心理を読み取る方法について
考察してまいりました。
コロナ禍の現在では
マスクをして会話をする機会が増え、
コミュニケーションを取る上で
相手の「目」から得られる情報は
これまで以上に貴重なものになっています。
より豊かな人間関係を築くための
ご参考にしていただければ幸いです。