
こんにちは。人事歴20年の心理カウンセラー、あおいです。
- わざと聞こえるように、大きなため息をつかれる
- 机を叩く音や、書類を乱暴に置く音にびくっとする
- 仕事を頼むと、あからさまに嫌な顔をされる
職場でいつも不機嫌な人は、不機嫌な態度を見せることで周りを動かそうとしています。その不機嫌は、あなたが引き受けなくていいものです。
大切なのは、機嫌を取らず、相手の不機嫌をまともに受け取らないことです。不機嫌な人に悩む方の相談を受けてきた経験から、振り回されないための3つの対処法をお伝えします。
- 気づかないふりをして受け流す
- できるだけ距離を取る
- 精神的に余裕があるように振る舞う
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職場の不機嫌な人は、なぜ周りに不機嫌をまき散らすの?

いつも不機嫌をまき散らす人は、言葉の代わりに態度で、不満や要求を伝えようとしています。不機嫌な態度で周りに気を遣わせることは、「フキハラ(不機嫌ハラスメント)」とも呼ばれます。
一時的な不機嫌と、いつもの不機嫌は違う
体調が悪いときや寝不足のとき、ストレスがたまっているときは、誰でも不機嫌になることがあります。こうした一時的な不機嫌は、ほめられたことではないにしても、誰にでもあるものです。
注意したいのは、いつも不機嫌をあらわにして、周りに威圧感を与えている人です。こうした人は、不機嫌で他人をコントロールしようとしていることが多いからです。
言葉の代わりに、態度で「察して」と求めている
ふつうは、相手に不満や頼みたいことがあれば言葉で伝えます。ところが不機嫌が当たり前になっている人は、舌打ちや書類を叩きつける音など、態度で表すのが癖になっています。
赤ちゃんが泣いて、おむつを替えてもらうのと似ています。機嫌の悪さで周りの注意を引き、「何とかしてほしい」「察してほしい」と求めているのです。
機嫌を取ると、不機嫌はもっと強くなる
いつも不機嫌な人は、これまで不機嫌を見せることで周りを困らせ、自分の思い通りにしてきた人です。ここで機嫌を取ったり腫れ物に触るように接したりすると、相手にとっては「うまくいった」経験がまた一つ増え、不機嫌はさらにひどくなりがちです。
他人の不機嫌にすぐ気づいて気遣えるのは、あなたの優しさです。けれども職場では、その優しさが裏目に出ることが少なくありません。
家族や恋人、親しい友人が不機嫌なときに気遣うのは大切なことです。でも職場の人に、そこまでしてあげる必要はありません。他人の機嫌は、その人自身の問題です。
「私のせいかも」と考えなくていい
「もしかしたら、私のせいで不機嫌なのかもしれない」と心配される方もたくさんいます。でも、その心配はいりません。
不満があるなら言葉で伝えるのが、職場での社会人のルールだからです。言葉にされない不満を先回りして読み取る必要はなく、はっきり伝えられたときに対応を考えれば十分です。
そもそも、これほど周りに気を配れるあなたが、誰かの不機嫌の原因をつくっている可能性は低いものです。真面目な人ほど、威圧的な態度をとられると「自分にも悪いところがあるのかな」と責めてしまいがちです。
不機嫌をまき散らすのは、周りに気を遣わせて自分の望みどおりに事を運ぶための、その人なりのやり方です。あなたには関係のないことと考えてください。
職場の不機嫌な人(フキハラ)への3つの対処法
ここで紹介する3つの対処法は、相手を変えるためのものではありません。不機嫌な人に振り回されず、あなたが受けるストレスを軽くするための方法です。
① 気づかないふりをして受け流す
近くで大きなため息や物音がしても声をかけず、目の前の仕事を続ける。
不機嫌をあらわにしている人がいても、反応せずに気づかないふりをするのがいちばんです。他人の不機嫌はその人の問題で、あなたには関係がないからです。
フキハラをする人は、たまった不快な気持ちをぶつけるきっかけを待っています。「大丈夫ですか」「何かあったんですか」と声をかけると、八つ当たりの的になりかねません。
鈍感な人を装ったり、仕事に集中していて気づかないふりをしたりして、そのまま流しましょう。
とはいえ大きな物音や舌打ちが聞こえると、不安や怖さで落ち着かなくなる方もいると思います。そんなときは深呼吸をひとつして、心の中でこう言い聞かせてみてください。
- 「これは一時的なもの」
- 「他人の不機嫌は、私には関係ない」
心理学には「メタ認知」という言葉があります。自分がいま考えていることを、もう一人の自分が少し離れたところから見守るように捉える働きのことです。「私はいま、あの人の機嫌のことばかり考えているな」と一歩引いて気づくだけでも、気持ちが少し落ち着くはずです。
いちばん大切なのは、相手の不機嫌をまともに受け取らないことです。「不機嫌だな」と思うだけにして、理由や対策をあれこれ考えこまずに受け流してください。
頭では分かっていても、音やため息に体がこわばってしまうこともあると思います。自分の職場でどう受け流せばいいか迷うときは、公式LINEから個別にご相談ください。
② できるだけ距離を取る

その人との関わりは最低限の業務連絡にして、できるだけメールで済ませる。
フキハラをする人は、仕事を頼むと嫌な顔をしたり聞こえないふりをしたりと、あなたに向けて不機嫌を見せつけてくることもあります。こうなると、気づかないふりで流すのは難しくなります。
こうした相手とは、気持ちの面でも物理的にも、できるだけ距離を取ることが大切です。
いちばんやってはいけないのは、相手を説得して変えようとすることです。不機嫌で人を動かすやり方は、育ってくる中で何度もうまくいったことで身についた長年の癖です。他人の説得で変わるものではなく、関係がこじれるだけです。
まずは、相手が不機嫌な態度であなたを動かそうとしていると知っておきましょう。そうすれば嫌な顔をされても「いつものパターンだな」「その手には乗らない」と思え、いちいち傷つかずに済みます。
そのうえで、関わる機会そのものを減らします。やりとりはメールを中心にして、不機嫌をまき散らし始めたらトイレに立つなどして、その場を見ないようにしましょう。
近くの席で不機嫌をまき散らされて困っているなら、自分の周りに小さな壁をつくってみてください。机の端にファイルスタンドを並べたり、モニターに付箋を貼ったりするだけでも、周りが気になりにくくなるはずです。
③ 精神的に余裕があるように振る舞う

不機嫌な態度を取られても「またやっているな」と心の中でつぶやき、いつもの調子で用件を伝える。
フキハラをする人は、誰にでも不機嫌をぶつけるわけではありません。不機嫌を見せれば言うことを聞きそうな人を選んでいます。
機嫌を取らないのはもちろん、おどおどしたり怯えた様子を見せたりするのも逆効果です。「この人には不機嫌が効く」と思われ、格好のターゲットになってしまいます。
威圧的な態度にひるんでしまうのは自然なことです。でも相手は、自分の要求を言葉で伝えられずに不機嫌で表しているだけの人です。怯えずに「またやっているな」くらいに受け止めて、平然とやり過ごしましょう。
普段から余裕があるように振る舞っておくと、ターゲットになりにくくなります。意識したいのは次の3つです。
- 姿勢を良くする:猫背だと、自信がなさそうに見えます。
- 相手の目を見て話す:目をそらして話すと、自信のない印象を与えます。
- ゆっくり、低めの声で話す:高い声や早口では、強さや落ち着きが伝わりにくくなります。
不機嫌な人のことより、自分のケアを大切に
職場の人間関係に悩むと、原因になっている人への対処にエネルギーを注ぎがちです。けれども他人の行動を変えるのはとても難しく、自分で決められるのは自分の受け止め方と反応だけです。
大切なのは、心に余裕を持ち、ストレスに負けにくい状態をつくっておくことです。そのためには、普段からの自分自身のケアが欠かせません。
- しっかり眠れるように、睡眠の時間を確保する
- 体を動かす時間をつくる
- 趣味など、好きなことを楽しむ時間を持つ
厚生労働省のサイト「こころの耳」でも、良い睡眠をとることや体を動かすことなどが、ストレスへの対処法として紹介されています。
嫌な人がいると、ついその人のことばかり考えてしまいます。他人のことより自分自身をいちばんに考えて、ほっとできる時間を大切にしてください。
- メタ認知について:Flavell, J. H. (1979). Metacognition and cognitive monitoring: A new area of cognitive-developmental inquiry. American Psychologist, 34(10), 906–911.
- ストレスへの対処としての生活習慣について:厚生労働省「こころの耳」の「ストレス対処法としての生活習慣 - 食う・寝る・遊ぶの充電法」(良質な「睡眠」をとる・「興味・関心」のあることを楽しむ)
まとめ
職場の不機嫌な人は、不機嫌な態度で周りに気を遣わせ、自分の望みどおりに事を運ぼうとしています。「私のせいかな」と考えず、自分には関係のないことと受け止めるのが大切でした。3つの対処法をおさらいします。
- 気づかないふりをして受け流す
- できるだけ距離を取る
- 精神的に余裕があるように振る舞う
どれも、不機嫌な人から受けるストレスを軽くするための方法です。相手の機嫌に左右されない毎日に向けて、できそうなものから試してみてください。


